

導入前の課題
■発送完了や定期コースなどのオペレーションが人力だった
■マイページの改善など細かな改善ができない
導入した結果
■オペレーションをシステムに任せ、効率的になった
■カスタマイズに対応してくれ、マイページの改修ができた
■入初月と最新月で比較して、売上が230%、CV数が213%増加した
株式会社ストークメディエーション(以下、ストークメディエーション社)は、オーダーメイドのD2Cセルフカラーブランド「COLORIS(以下、カラリス)」を運営しています。
カラリスはサブスクストアのASPカートシステムをベースにしたカスタマイズプランで契約されています。
※サブスクストアのプランと料金についてはこちら:サブスクストア料金プラン
今回はサブスクストア導入の経緯や導入後の効果などについて、COO(最高執行責任者)の近藤彰吾さんに詳しくお話を伺いました。
近藤さんは同社の創業メンバーの一人として、事業の立ち上げから現在に至るまで事業拡大に貢献してきました。
自宅でも美容室のクオリティで髪が染まるように
──まずは、事業の概要について教えてください。
近藤さん:カラリスはパーソナライズ処方のセルフカラーで、サロン仕上がりのようなダメージのない艶やかな髪色を実現するブランドです。
3分ほどの美容師監修Webカウンセリングの結果をもとに、お客様に合った最適な処方を1万通り以上の組み合わせからご提案しています。

実店舗での施術であれば美容師さんがカラー剤を調合してくれますが、一方でドラッグストアなどを中心に販売されているセルフカラー剤においては、自分に合うものかわからない、もしくは販売されてないというペイン(お客様の強い悩み)が存在していました。
カラリスでは、カウンセリングから得られる“お客様ごとの現在の髪色や髪質、直近の施術歴など“の情報を元にカラーセットをパーソナライズすることで、クオリティ高く均一にサービスをご提供しています。
その結果ありがたいことに、「美容室に行かなくてもサロン仕上がりのようになるので時間の節約になる、効率よく出費を抑えられる」というような評価をいただております。
また、お客様の日常に溶け込むようなブランドを目指していることから、特に定期コースに力を入れています。現在は利用者の85%が定期コースでの契約となっています。
立ち上げ時期の苦労から、カートの移行を検討
──サービスの立ち上げはいつですか。また、立ち上げたばかりの頃はどのようなことに苦労されたのでしょうか。
近藤さん:弊社の創業は2018年11月で、サービスのローンチは2019年9月でした。
まずサービスを始めて半年くらいは商品が売れなくて困りました。販売実績がほとんど無かったので施策改善の根拠となるようなデータも少なく、そもそもターゲットが合っているのか、プロダクトの設計、プライシング、訴求は適切かなど、仮説の検証が全く進まず非常に苦労しました。
また、初期はオペレーションもほとんど人力だったのでかなり工数がかかっていました。
例えば、発送完了メールを手動で送信したり、定期コースの更新作業も手動で行ったりしていたので、本来時間を割くべき経営課題の整理、改善施策の設計・実行・評価などに集中することが全くできていませんでした。

ようやく少しずつ売れ始めた段階で、小さな雑誌や地方のテレビ局から取材を受けるようになりました。また、“おうち需要”の影響も相まって「家でできるサロン品質のセルフカラー」ということで注目され、さらに売上が伸びました。
「オーダーメイドのセルフカラーをD2Cで」という日本では新しく珍しいサービスだったので、興味を持たれたのだと思います。
ただ、1回目の緊急事態宣言が終わった2020年の夏を過ぎたあたりから売上の伸びが鈍化してきました。なぜなら、“おうち需要”をきっかけにカラリスを利用し始めた方々は、美容室が利用できるようになると解約してしまう傾向があったからです。
つまり、当時のご利用いただいていたお客様の購入理由のほとんどが、本来我々が想定していたものではなく「美容室に行けないので仕方ないからカラリスを利用していた」というのが実態だったということがわかりました。
その時に、改めて私たちが提供できる価値は何だろうかと考え直しました。
そのような経緯でブランドのメインターゲットを、美容室に行きたいけれど仕事や育児が忙しく時間が合わない、そもそも美容室に通うことが苦手、近くに良い美容室が見つからない等といった方だということをメンバー全員で整理し、また、ブランドが提供する価値についても言語化し直しました。
このあたりの詳しい背景はブランドマネージャー稲葉がnoteに整理しているのでご興味がある方は読んでいただけると嬉しいです。
※カラリスの商品開発やブランディングについて:【D2Cブランド戦略】パーソナライズヘアカラー「COLORIS」急成長の裏側
そのような戦略の変更もあり、よりシステムが信頼でき、かつカスタマイズの要望が通りやすいカートへの移行を検討し始めました。そこでサブスクストアが候補に挙がりました。
サブスクストア以前はオープンソースのカートを使用していましたが、システムが脆弱で、頻繁にエラーが発生しその対応に追われました。カートシステムとして機能するように設定・改修すること、つまりマイナスをゼロに持っていくこと自体に工数・費用を投下する必要があり、本来注力すべき戦略や施策の考案に手がつけられないということもありました。
サブスクストアと他社カートの違いとは?
──他のカートもある中でサブスクストアにした決め手は何でしょうか。
近藤さん:事業者のやりたいことに対してかなり細かく対応可能だという点です。
D2C(DtoC)で重要なのは、自社の戦略に合わせてシステムを含めた全バリューチェーンを最適化していくことです。
カート領域で言えば、例えば「マイページをこうしたい」「定期の周期をこうしたいなど」など挙げればキリがありませんが、カートのデフォルトの機能では満足せず、常に顧客の声をUI/UXにフィードバックしていきたい事業者にはサブスクストアが向いているのだと思います。
またそのような要望に答えられる、技術力のあるエンジニアがサポートしてくださるのが心強いです。特に弊社は自社にエンジニアを抱えていないので、大変助かっています。

ただし、カートを移行したからといって、必ずしも売上が上がるわけではありません。「自社の戦略や現状のリソースにおいてはどのカート・パートナーがふさわしいか」という観点でカートを選定するのをお勧めしたいです。
サブスクストアを導入して売上が230%、CV数が213%増加
──サブスクストアを導入して、実際にどのような効果がありましたか。
近藤さん:導入初月(2020年10月)と最新月(2021年7月)で比較して、売上が230%、CV数が213%増加しました。
もちろんプロダクトやサービス設計、マーケティング戦略なども改善してきたので、カート移行のだけで数値が向上したわけではないとは思いますが、それでもサブスクストアに移行した事でシステムやオペレーションにおけるヒューマンエラーが減り、売上拡大に寄与したことは事実だと思います。
──今後の事業の展望を教えてください。
近藤さん:もちろん中長期的には新規事業の立ち上げを考えていますが、セルフカラー市場の規模を考慮すると、短期的には他ブランドへの展開の優先度は低いと考えています。まずはカラリスを拡大させていくことに全メンバーが集中すべきと考えていますので、そのために今後もサービスの改善を続けてまいります。

──最後に、サブスクストアの導入を検討している企業に向けて一言お願いします!
近藤さん:サブスクストアは、パーソナライズが可能なカートシステムで、かつシステムの汎用性が高い。移行後も丁寧にサポートいただいています。繰り返しになりますが、サブスクストアは、自社事業の特性やフェーズに合わせてシステムを柔軟に適応させ続けたい企業には非常に向いていると思います。
──サブスクストアをカスタマイズして利用されているカラリスならではの視点ですね。本日はありがとうございました!