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2021.01.26

サブスクリプション

海外と日本のサブスクリプションの成功事例とサブスクのこれから

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利用者のニーズの変化により、注目が集まっているのがサブスクリプション(定額制)ビジネスです。

サブスクリプションビジネスは、定額制サービスと同じように認識されることも多く、既存のビジネスモデルと共通している面もありますが、他にはない特徴もあります。

今回は、海外と日本でのSaaS型のサブスク、デジタルコンテンツのサブスクの成功事例と日本におけるサブスクリプションサービスの状況をご紹介します。

サブスクリプションを導入するのであれば、効率的に導入するためのポイントを経営に取り入れることが重要です。
導入を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。


サブスクリプションの現状

日本では2018年がサブスクリプション元年と言われています。
そして2019年11月、年末の風物詩でもある「ユーキャン新語・流行語大賞」 にサブスク(サブスクリプション)がノミネートされました。
これはサブスクという言葉が市民権を得て普及した年になったといえます。

サブスクリプションの現状

サブスクという言葉を知らなくても、どんなサービスのことか?を伝えると実は使っていた、というくらいに生活に浸透しているものになっています。

身の回りのサブスクリプションサービスですぐに頭に思い浮かぶのは、
・動画配信サービス
・音楽配信サービス
・電子書籍や漫画の配信サービス
・ソフトウェアサービス
かと思いますが、上記のサービスを利用している比率も高くなります。

衣食住に関わるサブスクももちろんあり、コロナでの在宅勤務などで家具のサブスクリプションサービス利用は増えているようです。

サブスクリプションは、「いつでも開始できる。いつでもやめられる」というように、簡単にサービスが開始できるのと、解約金かからないことを原則としています。
消費者にとっては高い商品を購入せずに利用ができ、無料でお試しのサービスが受けられるなど、消費者にとってメリットが多いサービスとなっていることから利用者が急激に高まっていると考えられます。

また、サブスク自体もCMやテレビ番組で多く取り上げられ認知度が広がっていますが、いまではSNS経由での認知が最も高くなりました。

サブスクリプションサービスの拡販するために、SaaS系のBtoCサービスは「フリーミアム戦略」をとっている企業が多く、エンタメなどのBtoCサービスやSaaS系のBtoBサービスは「フリートライアル」で、まずは体験してもらい、そのまま継続顧客に引き上げる仕掛けをしている企業が目立ちます。

海外のサブスク事情と事例

サブスクリプション型サービスは米国から展開されましたが、ここ数年で更にサブスクリプション型モデルが急拡大しています。

米国のサブスクリプション市場の規模は、2011年5,700万ドルであったが、2016年には26億ドルにまで伸びており、2020年度のサブスクリプションビジネスに参入した企業の売上高の年平均成長率は18%超と急成長を成し遂げているといわれています。

アメリカなど欧米諸国では最先端のサブスクリプションサービスが次々と展開されていくため競合率が高く、日々サービス改善と新たな展開を模索していかなくてはなりません。

成功をしている要因としては、まだ誰もやっていないときに始めた(先行者利益を得た)というのが大きいですが、フリーミアム戦略やフリートライアルでまずはユーザー数を増やしていること、さらに、複数のサービス内容にあわせて料金プランがある商品設計をしていることが共通点といえます。

その中で、成功を納めているサブスクサービスの事例を紹介します。

■デジタルコンテンツのサブスク

・Netflix(ネットフリックス)
定額制の動画配信サービスで、受賞歴のあるドラマ、他の会社にはない映画、アニメ、ドキュメンタリーなどオリジナルの独占配信コンテンツを充実させており、幅広いコンテンツを積極的に配信することで差別化を図っています。
多くの動画配信サービスと並び、会員数は世界で1.93億人となっています。国内ではラインナップの充実やオリジナルコンテンツの人気を集め定額制動画配信の顧客満足度は第1位となっています。
一定期間アクセスしていないユーザーにはアカウントキャンセルするかの確認をして、反応がなければアカウントをキャンセルする、といったユーザー目線の対応などにも取り組んでいます。

・Amazon(アマゾン)
Amazon Prime Video, Amazon Music, Kindle unlimited といった、動画・音楽・電子書籍の配信サービスなどがあります。
Amazonプライム会員になると追加料金なしで音楽、動画を無料で視聴、レンタルまたは購入ができます。
また、国内では、提携している電力、ガス会社のプランの入会特典としてAmazonプライムの年間費が無料になるサービスなど、セット契約などもあります。

・Google(グーグル)
Googleはアクセス分析ツールやカレンダー、メールなど、ビジネス用途のツールを複数提供し、ビジネス分野において重要なツールであり続けると予想されます。
デジタルコンテンツのサブスクでは、YouTube Premiumがあります。YouTube Premiumでは広告表示がない、オフライン再生ができる、YouTube Music Premiumuの利用もできる、といった無料版との違いがあります。
さらに写真の保管などに使える生活系ツールだとGoogle One、ビジネスであればGoogle Workspace(旧称G Suite)など、エンタメのデジタルコンテンツだけでなく、生活に関わるSaaS, PaaS系サブスクもあります。
Googleはサブスクリプションにおいても堅調に売上を出しています。 ※Googleの親会社Alphabetの事業も、馴染みのあるGoogleとして紹介しています。

■SaaS型のサブスク

・Adobe Systems(アドビシステムズ)
Photoshop, Illustrator, Premiere Proなど画像・動画編集・デザインなどのクリエイティブ業務に欠かせないAdobeのソフトウェア。
過去、ソフト単体販売価格は10数万円と高額でしたが2012年にサブスクリプション型での販売(Creative Cloud)へとシフトチェンジを行ったことで、利用者が増え年率20%も超える成功を成し遂げました。
サブスク型にしたことで、ソフトウェアのバージョンアップは短いサイクルで行えるようになり、ユーザーが新しい機能を利用できるようになるまでの期間が圧倒的に短くなったなど、ユーザーにとってお得で便利に利用できるようになりました。
クリエイティブ向けソフト以外にもマーケティングツールの「Experience Cloud」、書類や契約業務のオンライン化ツールの「Document Cloud」といったビジネスで利用するサービスの提供もしています。

・Microsoft(マイクロソフト)
マイクロソフトにおいては、サブスクリプション1本化ではなく、パッケージとの両軸であることが特徴といえるでしょう。
パッケージが買い切りで追加料金が発生しないのに対し、サブスクリプションは月額料金または年額料金を支払う代わりに常に最新のソフトウェアが提供されるメリットがあります。
また、「Office 365 Solo」のユーザーになれば「Office 365サービス」を利用できるため、1TBのクラウドストレージの利用や毎月60分間のSkypeでの通話などが可能など、クラウドサービスの利用権を与えることで付加価値を付けています。

・Dropbox(ドロップボックス)
全世界で5億人が利用されているオンラインストレージサービスです。
指定した人のみ閲覧ができないなど、データの共有範囲が絞れます。
個人向けとチーム向けで機能の差をつけたサービスプランを作り販売しています。
無料で2GBまで利用可能で、足りない場合は複数の料金プランから使用頻度や用途によって選べます。無料のままでも、友人にDropboxを紹介するなどで友人含め互いに最大16GBまで増やすことが可能です。

・Evernote(エバーノート)
オンライン上でメモを取ることが可能で、スマートフォンのカメラで紙文書をデジタル化できるなど、便利な機能が揃っています。
また、ネット環境に接続ができなくても利用ができるのはとても便利です。
無料のベーシックプランの他にプレミアムプランとビジネスプランが用意されており、ビジネスプランでは共同作業が可能としています。
また、プレミアムプラン、ビジネスプランどちらも無料トライアルでお試しから利用ができます。

日本のサブスク事情と事例

近年、海外でのサブスクサービスが日本にも導入されるようになってきました。しかし日本でのSaaS型のサブスクは多い中、デジタルコンテンツ提供企業は少ない現状です。
デジタルコンテンツのサブスクが少ない理由としては、NETFLIXやAmazon Prime Videoなどの海外サービスが多少のローカライズがされつつも、定着し日本でも利用顧客を伸ばしています。

デジコン系サブスクでも日本企業が強いのは漫画の配信サービスでしょう。

SaaS型サブスクの企業は会計、業務管理、サイトの運用や制作に関わるツールなど日本企業のサービスも多くあります。

また、耐久消費財などモノのサブスクは日本の商習慣・生活習慣に合わせた独自のものが多いため、日本企業発信のサービスが多くを占めます。

日本でのSaaS型、デジタルコンテンツのサブスクの事例を紹介します。

■デジタルコンテンツのサブスク

・LINE MUSIC(ラインミュージック)
LINEが提供する定額制の音楽配信サービスです。
プレイリスト作成やミュージックビデオの視聴が可能で音楽配信サービスの中でも人気です。また、LINEと連携しているのでお気に入りの曲を着信音や通知音に設定できるので、自分好みにカスタマイズできます。
無料含め3つのプランとなっており、無料プランでは1曲30秒のみ再生、ベーシックプランでは月20時間まで再生可能と利用時間に上限はありますが、フルで聴けるので移動中に聴く場合など時間区切りでの利用におすすめです。

・Pravi(パラビ)
ドラマ、映画など動画配信サービスとなっています。
他の動画配信サービスと比べると月額料金がやや高めですが、スポーツや音楽の生配信もありリアルタイムで視聴ができます。また、経済番組も配信されているのでニュースを見逃した方には、通勤中や空いた時間に視聴ができます。

■SaaS系のサブスク

・KINTONE(キントーン)
クラウド型の業務アプリケーションを簡単に作成できるサービスです。
業務や仕事内容を自社や部門に合わせた業務システムを複雑なプログラミングなしに作成ができます。
大手企業から中小規模の企業、地方自治体などさまざまな企業や法人で利用されており、利用企業数は15,000社となっています。特徴としては、打ち込んだ内容をメールや他のチャット機能を利用することなく、テーマごとにスレッドを立ててやりとりができるため、連絡の手間が省くことがでます。
業務効率が上がるので、ビジネス分野において便利な機能です。

・freee(フリー)
個人事業主から中規模法人まで対応した、クラウドの会計や人事労務ソフトを提供してます。個人向け、20名以下の法人、21名以上の法人と大きく3つのターゲットにそれぞれに合ったサービス提供を行っています。
クラウド会計ソフトの導入事業所数は、100万以上(2018年時点)となっており、これまでオンプレミス型で販売していた会計ソフト市場も、クラウドかつサブスク型の提供にシフトしていってます。

■モノ・コトのサブスク

サブスクというとデジタルコンテンツやSaaS型のサブスクの印象が強いですが、モノやコトのサブスクも増えています。

ここでは、買い替え頻度の少ない耐久消費財、買い替え頻度の少ない非耐久材、また飲食業のサブスクの事例をみてみましょう。

▼耐久消費財のサブスク事例

・KINTO(キント)
トヨタ自動車株式会社が展開する「KINTO」は、2018年12月に個人向けの車のサブスクリプションサービスとして発表されました。その内容は、保険やメンテナンス、税金などをパッケージ化した月額定額制となっています。
「筋斗雲」から「KINTO」と名付けられたように、好きな車や乗りたい車を自分の好きなように乗り、不要なときには返却可能です。
必要なときにすぐに現れて利用することができ、好きなように移動できるのは、まさに筋斗雲のようでしょう。 シェアリングや運転の自動化など、自動車業界はまさに変革の中にいます。 新しい技術が次々と生まれ、それによって車の概念が大きく変わろうとしているのです。

・Subsclife(サブスクライフ)
家具・家電のサブスクリプションサービスです。
人気ブランドの家具やデザインの家電が月額500円から利用可能です。利用期間は3ヶ月から24ヶ月の間とライフスタイルの変化に合わせて新品の家具、家電が届きます。
ライフスタイルに合うかどうか不安な方には、1個からレンタル可能です。
利用終了後は、返却、購入、継続と選べるので、気に入ったものは購入ができるので、処分の手間もかからず気軽に利用ができます。

▼非耐久材のサブスク事例

・airCloset(エアークローゼット)
月額制で借り放題の服のサブスクリプションサービスです。
airClosetは30万着からレンタルでき、リクエストを元にプロのスタイルが選んでくれるので自分では選びにくいコーディネートを届けてくれます。
今や定番!?服をサブスクリプションで提供するポイントを知ろう!で紹介しているように、捨てることができず悶々と悩む時間、整理する時間、 お手入れの時間とコストから解放されるなどメリットがあります。

▼飲食のサブスク事例

・coffee mafia(コーヒーマフィア)
カフェのサブスクです。
カフェのサブスクに注目!カフェの定額制の仕組みやメリットとは?で紹介しているようにカフェのサブスクとは、毎月の月額料金として一定の料金を支払うことで、その期間中にさまざまなサービスを受けられるカフェのことをいいます。
コーヒーマフィアでは3種類の定額コースが用意されており、コースによって異なりますが1来店につきコーヒーやドリンクが1杯無料となっています。

・野郎ラーメン
サブスクリプションサービスは、ラーメン業界でも導入されています。
1日1杯、月額8,600円で3種類のラーメンから好きなものを選んで食べることができます。
1カ月のうちに12回お店に行ってラーメンを食べれば、元が取れてしまうという画期的なサービスです。 外出先でちょっと立ち寄りたいなと思ったときに店舗を検索してみると、チェーン店ならばほとんどの場合、近くに店舗が見つかります。
野郎ラーメンのサブスクリプションサービスは、チェーン店ならではの「店舗数が多い」というメリットが存分に活かされているのです。

日本におけるサブスクの今後

国内のサブスクリプションサービス市場は、2020年度で7,873億円、23年度には1兆円に拡大すると予想されています。
しかし、今後の日本におけるサブスクリプションサービスは、ただ「使う」だけには留まらないものになると考えられています。

日本におけるサブスクの今後

たとえば、サブスクリプションと混同されてしまいがちなものに「モノのレンタルサービス」があります。
モノのレンタルサービスは、ある一定の期間に使用するものです。

カメラやベビーベッドなど、使うときだけレンタルをする人がいます。
どちらもある期間だけ必要なもので、それ以外には必要ないと考えられるのです。

レンタルサービスQuotta(クオッタ)では、ユーザー同士で物を貸し借りするサービスです。個人での貸し借りサービスとしては日本初となります。

使わなくなった物をレンタル品にすることで、貸す側には収入が入り、借りる側には安くレンタルできるなどメリットがあります。
また、シェアリングエコノミーの時代に合ったサービスとして、着られなくなった子ども服をシェアし合う、「おさがりシェア」サービスKIDSROBE(キッズローブ)というサービスもあります。

モノをレンタルする価値というのは、この「借りて使う」、つまり「買わなくていい」というところにあると言えます。

しかし今後のサブスクリプションサービスは、「借りて使う」ことだけを考えたサービスではなく、「使う」ほかにも新しい付加価値を付けて提供されることが必要であり、そういったサービスは増えていくでしょう。

サブスクリプションビジネスは、「使い続けてもらえる」モノとコトの提供と合わせて、「使う」以外の価値も提供できるか?が重要なポイントになっていくでしょう。

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