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サブスクリプションビジネス、通販やEC事業で商品を販売していくうえで、売上に影響を与える会員ランクの導入は重要です。
しかし、会員ランクシステムの魅力をよく知らない事業者も多いのではないでしょうか。
会員ランクシステムを導入すると、リピーターの獲得・維持の促進などメリットは多岐に渡ります。ただ、会員ランクについて理解してないと失敗する原因にもつながるでしょう。
今回は、利用者をリピーターにする会員ランクの特徴やメリットを紹介してきます。
まずは会員ランクについて紹介!
会員ランクとは、企業側が利用した人の利用状況に応じてステージを分ける方法を差します。
例えば、シルバー・ゴールド・プラチナなど特定のランクを設けることで、ランク別に決まったサービスを受けるといったものです。
ランクを分けることで、多く利用した人が得をするシステムを作り出すことが可能になります。
利用者は利用状況に応じて特典を受けられるメリットが生まれ、リピーターになりやすくなるのです。
また、ランクアップ制度を活用することで、顧客満足度を高める役割も担っています。
そのため、会員ランクは顧客側と企業側の両方に利益を生む画期的な制度だという認識を持っておきましょう。
リピーターを増やすと売上が増える?
会員ランクでは、ランク別に特典や割引などの優遇措置が設けられていますが、リピーターを増やすとなぜ企業側は売上が上がるのでしょうか。
本来、商品を売る際に必要な費用は商品だけでなく、DMやテレビCMなどの広告宣伝費が必要となってきます。
これは、新規顧客の獲得や商品認知度を高めるために行われるものです。
一方、リピーターを獲得することにより、常に自社の商品を購入してくれる得意客を確保できます。
この得意客は、ロイヤルカスタマーとも呼ばれており、店舗への会員ランクのサービスや商品を高評価している人なのです。
ロイヤルカスタマーをより多く獲得すると、DMやテレビCMを行わなくても商品が売れ続ける仕組みを作り出すことができます。
さらに、ロイヤルカスタマーからSNSや口コミが広がり、企業側は必要以上の宣伝を行わなくても商品認知度を高めることが可能となるのです。
その余った費用を会員ランクの特典やキャンペーンに当て、全体コストの削減につなげている企業も少なくありません。
また、会員ランクを設けることで得意客は、ランクを上げる楽しみや特典で損をしたくない気持ちを持てるようになります。
つまり、会員ランクによって、企業側はロイヤルカスタマーの育成が簡単に行えるということです。
実は、ロイヤルカスタマーの育成が売上アップにつながる理由は、パレートの法則により証明されています。
パレートの法則とは、全体売上の80%は20%の顧客によって成り立っているという定説です。
20%のロイヤルカスタマーを獲得すれば、売上の80%の確保が可能ということになります。
この20%を確保するために会員ランクが有効なのです。
他にも新規顧客には、リピーターへ販売するコストに比べて5倍の費用がかかる1:5の法則なども存在します。
パレートの法則や1:5の法則で考えると、会員ランクでリピーターを増やすことは売上のアップに大きく影響するといえるでしょう。
会員ランクの導入で得られるメリット
会員ランクを導入するメリットは、購入金額のアップ・きっかけ作り・情報配信の効率化が挙げられます。
まず、会員ランクに特典を設けることで、リピーターの購入金額をアップさせることが可能です。
例えば、○○以上で上位ランクにアップできると分かれば、より高い特典を受けられるようになります。
また、購入がなければランクダウンする制度だと、損をしないために定期的に購入をしたくなる心理となるのです。
この心理は承認欲求と呼ばれ、人間は少しでも得をしたい・損をすることに抵抗を感じる機能が備わっています。
つまり、ランクによって高い特典が受けられるならば、達成できる金額を目指して購入したくなるため、購入金額のアップにつながるのです。
次に、会員ランクがあることで購入するきっかけを作ることができます。
例えば、同じ商品でも送料が無料になる・ポイントがもらえるなどの付加価値が付くほうを選びますよね。
さらに、この特典に期限が設けられていれば、お得なうちに買っておこうと考えるでしょう。
会員ランクの特典がなければ、商品を購入する期間は購入者任せになってしまいます。
しかし、特典に期限を設けることで商品を購入するきっかけを作り出せるメリットが生まれるのです。
続いて、会員ランクの状況に応じて情報配信を行えるのもメリットです。
情報配信は、無作為に発信するよりも会員に限定したほうが効率もよく集客力も高くなります。
というのも、会員になり商品に魅力を感じた人は、新商品が出ても商品認知度に関係なく信頼性が新規顧客とまるで違うのです。
当然、一度信頼した企業の商品で愛着を持っている人のほうが購入期待度は高くなりますよね。
そのため、新規顧客に向けて多くの費用で情報配信をするよりも、少ないコストで高い集客力を見込めるのが会員ランクの強みです。
また、会員ランクの利用状況が悪い場合は、お得感のあるキャンペーンを打ち出すこともできますし、利用状況がよければ、ランクアップを促進するキャンペーンを配信するなどが可能です。
具体的な会員ランク特典の例
会員ランク特典は販売会社によってさまざまですが、もっとも多い特典は「送料の無料化・割引」「ポイント還元率のアップ」が挙げられます。
比較的多くの企業が導入している特典なので、利用する側がお得と感じやすいのが特徴です。
また、「先行販売の利用権付与」も魅力的で会員ランクに応じて、購入の予約が行える特典になります。
商品によって、人気が高すぎて購入できないケースを防ぐことが可能です。
また、「割引クーポンの配布」や「優待情報の配信」などの特典もあります。
割引クーポンでの割引率をランク別に変えることで、ランク内の差別化を行いランクアップの促進をしているのです。
例えば、ゴールドは5%割引・プラチナは10%割引などがあります。
上記の特典は一例ですが、どの企業もランクアップをすることで特典の量や質が上がる仕組みを作っています。
また、もっとも低いランクには特典がなく、ランクを上げることで特典を受けられる企業が多いのも特徴です。
会員ランクを導入するコツ
会員ランクを導入したい企業は、リピーターを獲得するコツを理解することが重要です。
まず、ターゲット層のニーズに合った特典を用意することを心がけましょう。
例えば、ランク特典をポイント還元率アップとした場合、ターゲット層が現金を利用する高齢者だと魅力が伝わりにくいのです。
また、学生など収入力の低いターゲット層に高額商品の送料無料特典を用意しても、購入するのが難しいので特典の意味がありません。
そのため、ターゲット層を熟知したうえで魅力のある特典を設けることが大切です。
次に、会員ランクの条件を一定にしないこともポイントとなります。
最初からランクアップへの条件が難しいと利用しない原因となってしまうのです。
そのため、一番低いランクでは、比較的簡単な条件を設定し、ランクアップをしたくなる仕組みを作ることが大切でしょう。
例えば、会員ログインを〇回すればランクアップする・商品を1つでも購入すればランクアップするなどです。
さらに、ランクアップした時点で特典をすぐに使えるのであれば、より利用促進につながります。
また、ランクや利用状況などを目視できるのも大きなポイントです。
あと少しでランクが上がると分かれば、ランクアップを目的にまとめ買いをする可能性も高まります。
一度ランクアップをしてしまえば、ランクダウンに抵抗を感じるため購入し続けてくれるというわけです。
そのため、会員ランクを導入する際はパソコンやアプリを使って一目でランクや情報がわかるようにするとよいでしょう。
会員ランクを利用することで、顧客の満足度が向上しリピート率が上がる効果があります。
しかし、しっかりと設計しなければ顧客から見ると難しいゴール設定となる場合があります。
顧客のエンゲージメントを向上させるためには、考えられた戦略が必要です。