ペットフードのD2C×サブスク事例を紹介!注目される背景とその課題とは?

ペットフードのD2C×サブスク事例を紹介!注目される背景とその課題とは?

ペットフードを「D2C×サブスク(定期コース)」で提供するサービスが注目されています。

その背景には、家族の一員として大切にペットが育てられるようになってきており「ペットに健康に過ごしてもらうための食事にこだわりたい」という飼い主の方が増えてきていることにあります。

本記事ではペットフードD2C×サブスクの特徴や、代表的な事例、事業者の留意点をまとめて解説します。

※サブスク/D2C/定期通販に特化したクラウドシステム「サブスクストア」のサービス紹介資料はこちら 

いまペットフードのD2C×サブスクが注目されている理由 

どうしてペットフードを「D2C(Direct to Consumer)」というビジネスモデルが注目されているのでしょうか。またD2Cでは「サブスク(定期コース)」で商品が提供される事が多いのですが、そのメリットとは何でしょうか。

以下ではペットフードの「D2C×サブスク」モデルが関心を持たれている背景を、ペット市場の拡大というマクロ的な目線と、ペットフード事業者・消費者双方のメリットという観点から解説します。

ペット関連市場の規模拡大

矢野経済研究所の調査によると、2021年度のペット関連総市場規模は小売金額(末端金額)ベースで、前年度比101.8%の1兆7,187億円と推計されています。そのうちペットフードの市場規模は6,083億円を占めています。

ペットフードは新型コロナウイルス感染症による外出自粛によりペットと過ごす時間が増えたことや「ペットにより品質の良いフードを与えたい」という飼い主の考えから、より高付加価値の商品への指向が強くなっていると見られています。そのため2022年度以降もペットフード市場は拡大すると予測されています。

また、ペットフードだけでなく排泄ケアの消耗品であるペット用おむつ・フン処理パックといったマナーグッズ、飼い主がペットの健康管理に用いるセルフケア用品・デンタルケア用品の需要も拡大しているようです。

参考:矢野経済研究所「ペットビジネスに関する調査を実施(2022年)

ペットフードD2Cとは?

D2Cとは「仲介業者なしに商品の製造から販売までを自社で行う」というビジネスモデルです。現在では主に自社ECサイトを販売チャネルとして顧客に商品を販売するスタイルが主流です。

D2Cのペットフードサービスには特徴は以下のようなことが挙げられます。

・仲介手数料を抑えた分商品の原価率を高められおり、結果質の高い商品が提供される
・一般に販売されているドッグフードよりも原材料やおいしさが追及された高付加価値の商品が多い

自社で企画・製造したペットフードを顧客に直接定期的に販売することには、事業者、顧客双方にメリットがあります。

ペットフードD2Cの事業者側のメリット

顧客に自社商品の特長を詳しく説明できる

実店舗やAmazon・楽天市場のようなECモールで商品を販売すると、他社の商品と比較され価格競争に陥ってしまう傾向があります。

一方D2Cの場合顧客に自社サイトやLP(ランディングページ)に訪問してもらうので、「獣医師が監修し栄養バランスが整っている」「原材料はすべて国産」といったように商品の魅力について顧客に直接詳しく伝えることができます。

顧客からのフィードバックを得て商品開発やサービス改善に活かせる

顧客の口コミや購買履歴などのデータを収集・分析することで、顧客のサービスの評価点や改善要望を得ることができます。

例えば「商品Aより商品Bのほうが食いつきがよかった」という意見が多数あれば、商品Bを初回お試しセットのラインナップに加えるといった対応が考えられます。

継続的に収益を得られる

ペットフード事業者はサブスクサービスを提供することで、継続的に収益を得ることができます。

アニコム「家庭どうぶつ白書 2022」の調査結果によると、2020年度犬の寿命は14.1年です。もし自分たちのブランドを顧客に気に入ってもらい数年以上利用し続けてもらえば、その期間は安定的に収益を得ることができるでしょう。

※参考:アニコム「家庭どうぶつ白書 2022

ペットフードD2Cの顧客側のメリット

ペットフードがD2Cで提供されることは、顧客目線でもさまざまなメリットがあります。

ペットに安全でおいしいフードを与えられる

ペットフードD2Cは、ペットの体重、年齢、健康状態などを考慮して、特定の栄養素を配合したフードを提供するサービスが多いです。また「原材料は国産のみ」「人間でも食べられる材料のみ」「グレインフリー」「無添加」といったように、高品質のフードを提供しているサービスもあります。

顧客はD2Cブランドの商品を選ぶことで、ペットの健康によいフードを食べさせてあげることができるでしょう。

ペットフードの購入や補充の手間の削減

サブスクコース(定期コース)があれば、それを利用することでペットフードの購入や補充が手軽になります。定期的に商品が自動配送されるので、かさばるペットフードを買う手間がなくなりますし、ペットフードを切らしてしまう心配もなくなります。

買い切りよりも安く商品を手に入れられる

サブスクコースでは、単品で商品を購入するよりも1個当たりの価格が安くなっていることが多いです。そのため、必ずかかるペットのえさ代を抑えることができます。

海外(アメリカ)のペットフードD2C×サブスク事例

日本国内で普及し始めたペットフードのD2Cですが、アメリカでは既にいくつかのD2Cブランドが成功を収めています。ここでは特に注目される3つのブランドを紹介します。

なおアメリカのペットフード市場は2021年度で423億米ドルとされており、日本と比べおよそ10倍の市場規模があります。

参照:US Pet Food Market: Industry Trends, Share, Size, Growth, Opportunity and Forecast 2023-2028

TheFarmer’sDog(ザ・ファーマーズドッグ)

「The Farmer’s Dog」はドッグフードをオンラインで販売するサービスです。当サービスは、獣医師と栄養士が監修したドッグフードを犬の健康状態や食事の好みに合わせて製造・配送します。

「The Farmer’s Dog」のフードは犬種や年齢、体重などに合わせてレシピがカスタマイズされ、それに合わせて価格も変動するのが特徴です。

参考:Fresh Human-Grade Dog Food Delivery | The Farmer’s Dog

NomNom(ノムノム)

「NomNom」は犬用の栄養豊富なおやつを提供するサブスクリプションサービスです。NomNomでは、おやつの他にアクセサリーやおもちゃも販売しています。

参考:The Farmaer’s Dog

Ollie(オリー)

「Ollie」は、ニューヨークで設立されたドッグフードのデリバリーサービスです。Ollieのフードは本物の肉(牛肉、鶏、七面鳥、子羊)、果物、野菜、穀物から作られたフレッシュなフードであることが特徴です。

ドッグフードの他にもペット用のおやつやサプリメントも提供しています。

参考:Ollie: Healthier, Human-Grade Dog Food Delivery

VCが投資するD2Cビジネス紹介 第5弾

国内のペットフードのD2C×サブスク事例

ここでは、国内のペットフードのD2Cブランド事例を3つ紹介します。

PETOKOTOFOODS(ペトコトフーズ)

「PETOKOTOFOODS」は、無料のフード診断の回答をもとにパーソナライズされた商品が定期配送されるサービスです。

PETOKOTOFOODSは国内で厳選された材料で生産されていること、また栄養学専門獣医師がレシピ開発に携われるなど、高品質な商品を提供していることが特徴です。

加えて「フードロスの削減」や「売り上げの一部を保護犬猫サイトに寄付」など、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

※参考:【公式】PETOKOTO FOODS (ペトコトフーズ)|家族クオリティの国産フレッシュペットフード

CoCoGourmet(ココグルメ)

CoCoGourmetもPETOKOTOFOODSと同様に、獣医師が監修した国産ドックフードを提供するサービスです。

ココグルメのフードは100グラムに小分けされ真空パックに入れられています。

ココグルメのようなフレッシュフードには、新鮮さやおいしさを保つため保存料や酸化防止剤が使われていません。そのため小型犬や食が細い犬には食べきれる量に分けられているココグルメがオススメです。

※参考:【獣医師監修】手作りフレッシュドッグフード/ココグルメ【公式】

華ちゃん犬猫すこやか本舗

「華ちゃん犬猫すこやか本舗」では、ブランド鶏の「華味鳥」を100%使用したドッグフード、ささみのドライジャーキー、ペット用の水たき 、またサプリメントなどが販売されています。

フードに九州産のブランド鶏「華味鳥」が使用されていることから、「安全で最高品質のおいしいドッグフードを食べさせてあげたい」という飼い主に人気のサービスです。

※参考:【ペット×D2C】カート移行で3年連続売上140%以上の成長。「華味鳥」のトリゼンダイニングがサブスクストアを選んだ理由とは

ペットフードのD2C事業者が気をつけるべきこととは?

最後に、ペットフードのD2Cブランドを運営するにあたって注意したいポイントについて紹介します。

顧客に選んでもらえるように説得する必要がある

D2Cのペットフードは、大量生産・大量販売モデルで製造された市販のペットフードと比べるとどうしても高くなってしまうでしょう。またわざわざに自社サイトで個人情報を入力してもらって買ってもらう必要もあります。

そのため、以下のように「このサービスを選ぶべき理由」を顧客にわかりやすく伝えていく必要があるでしょう。

・フレッシュフードを食べたワンちゃんのほうが寿命が伸びるという調査がある(数値的な根拠の提示)
・獣医師が監修し栄養が考慮されている(専門家による権威づけ)
・人間も食べられるような高品質の商品である(安心感・信頼感の醸成)

商品の購入者と消費者が異なる 

ペットフードの「購入者」は飼い主、「消費者」は犬や猫といったペットです。「購入者」と「消費者」が異なることから例えば以下のような問題が生じます。

・飼い主が食べてほしくても、ペットが好みでないので食べてくれない
・ペットの食欲に応じてフードの消費量が変わってくる 

上記のような問題に対して「華ちゃん犬猫すこやか本舗」を運営するトリゼンダイニング株式会社は、商品の種類や注文できる個数をお届け日までに柔軟に変更できるサブスク(定期コース)で商品を提供しています。

まとめ

本記事では、ペットフードのD2C×サブスク事例、また事業者・消費者の双方のメリットを解説しました。

大切な家族の一員であるペットに「より安全で栄養豊富なフードを食べさせてあげたい」という飼い主が増えてきてきていることから、今後もD2Cペットブランドのサービスが拡大していくはずです。

※関連資料
サブスクビジネスの立ち上げについて関心のある方はこちら:サブスクビジネスの始め方と成功の秘訣
D2C×サブスクの成功事例について知りたい方はこちら:サブスク/定期通販の成功事例集

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