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様々なサービスの普及によって、ネットショップは誰でも簡単に始めることができるようになってきています。とはいえ、なんの知識もなく利益を上げられるほど甘い世界ではありません。
というのもお客さんがサイトに訪れなければ、全く売上が立たないからです。そのため集客の方法が悩ましいポイントになってきます。
ここでは、「ネットショップの運営をしたい」、「運営しているネットショップの売り上げをアップさせたい」と考えている方に向けて、ネットショップの集客方法を解説いたします。
集客チャネル別に考えよう
まず、集客にはオンライン集客とオフライン集客があります。ネットショップ運営という観点で、まずはオンライン集客のチャネル(サイトへの流入経路)を押さえましょう。
オンライン集客では、サイトのアクセス解析で広く使われているGoogle Analytics「Default Channel Grouping」として現在の定義では下記のような流入チャネルを基礎知識として持っておくと良いです。
デフォルト チャネルグループ | Google アナリティクスの表記 | 概要 |
---|---|---|
ノーリファラー | Direct | 直接流入。URL直接入力やブックマーク、アプリ |
オーガニック検索 | Organic Search | 検索エンジンからの流入 |
オーガニックソーシャル | Social | ソーシャルメディアからの流入 |
メール | Eメールからの流入 | |
アフィリエイト | Affiliate | アフィリエイトからの流入 |
有料検索 | Paid Search | 検索連動型広告からの流入 |
ディスプレイ | Display | GDNなどディスプレイ広告からの流入 |
参照URL | Referral | 他のサイトからリンクして流入 |
その他 | Other | 上記のどれにも分類されなかったもの。 |
アクセス解析のスタンダードとなっているGoogle Analytics で定義されているチャネル別に、「どんな手法があるのか?」「何をするのか?」を理解することが基本であり、重要なのです。
さらに、有料なものと無料なチャネルで分けて、特に力を入れたい集客方法に絞って見てみましょう。 有料のものは比較的短期間で即効性がある方法が多く、無料のものは効果がでるまで中長期間かかる傾向があります。
● 無料の集客方法
ソーシャル:Social
オーガニック検索:Organic Search
集客自体は無料ですが、運営をすることによる人的リソースは必要になります。
● 有料の集客方法
有料検索:Paid Search
ディスプレイ:Display
アフィリエイト:Affiliate
1回の広告表示や1回のECサイトへの誘導や1件成約(購入)に対してお金を支払うことで運用するものです。
ではここから注力すべき3つの方法と3つのコツをお伝えします。
集客方法 1. Social流入:SNS活用
ネットショップの集客方法としてまず、Social流入を説明します。
Social流入は、ソーシャルメディア、SNS(TwitterやFacebook、Instagram(インスタグラム)、LINEなど)からの流入を指します。
なおソーシャルメディアとSNSの言葉の定義は厳密に言えばそれぞれ違うのですが、ここでは深く説明はしません。ひとまず「自分が好きなことをツールを使って発信する、それに対して他の人が反応できる双方向性のコミュニケーションが取れるもの」と思っていてください。
無料で使用できる点と、スマートフォン・PCとデバイスを選ばずアカウントにアクセスできるという利便性があるため、まず取り組むには良いツールです。
ではどうやって活用するのか?
SNSをネットショップに利用するメリットや特徴として3つのポイントを意識しましょう。
①即時性があること
②拡散性があること
③親密性があること
①即時性があること
デバイスを選ばず更新可能です。スマホで撮影・編集した動画をすぐにアップできるのも魅力です。仮に間違いがあっても削除や訂正もすぐできます。情報をいつでもどこでも更新できるため、人気商品の入荷や予約販売開始のお知らせなどをSNSを使って発信することが即時性を考えた活用方法の例になります。
もちろん、情報を見たユーザーからの反応も即時性があります。いいねやフォロー、リツイートなどの反応は即座に反映されます。購入を迷っている方からダイレクトメッセージで質問があった場合に、受け答えすることも可能になります。ウェブ上の展示即売会のような使い方もできると言えるでしょう。
②拡散性があること
友達登録・フォロワーが増えることによって情報が届く人数は増えます。
それだけではなく、インフルエンサーが「いいね」をすると、インフルエンサーのその「いいね」をきっかけに他のユーザーが興味を持って「いいね」が広がり、情報は広がることがあります。
このような「バズる」という状況が生まれるのは、ソーシャルメディアならではとも言えます。
拡散される情報は、面白い・可愛い・役に立つ・感動するなど多くの理由がありますが、共感や反発を示したいときに人は反応しやすいようです。
「ポジティブかつ共感されることは何か?」という商品ページに書かれている事実情報だけではない視点で、情報発信を考えましょう。
即時性と拡散性という特徴があるので、SNSでは「バズる」と言われるようなコンテンツの爆発的な拡散が期待できるのです。
③親密性があること
ソーシャルメディアを通して、ユーザーはショップ店員の顔や性格を認知することができます。 コメントに対しての返答、またフォローバックやいいねのお返しなどしていると、ユーザーとショップの間の親密度は上がるでしょう。 店長やお店がちょっと気になる存在になれたら、ユーザーの心に情報が届きやすくなります。
つまり、ネットショップでもお店で接客したときのような良好な関係を作ることができるのです。
集客方法 2. Organic流入:ブログの活用
Organic(自然検索)流入対策は中長期的な視点で行っていきましょう。
ECサイトでのOrganic流入は大きく2つの流入があります。1つが商品ページへの流入で、もう1つが商品を紹介するような記事ページへの流入です。
ECサイトなので商品ページは必然的に制作することになるはずが、商品を別の視点で紹介する様な記事ページ、つまりブログを始めることも検討してみましょう。
ブログページを制作のためにはブログとECサイトでドメインを分けるのか、1つのドメインで運用するのか、などサイト構造を決める必要があります。
ブログを書きやすいCMSツール(WordPressなど)を組み込んで利用するなど、システムの構築が必要となりますが、ECサイト構築システムには、CMSツールを連携しやすいように設計されているシステムがあるので、まずはブログと連携しやすいツールを選んで環境を整えることから始めましょう。
難しければ、ECサイトとは別ドメインで作成してみることを検討しましょう。
ブログを書く際には重要キーワードを含むタイトルを意識しましょう。たとえばTVゲームを扱うネットショップであれば、「ゲーム機の名前」と「ゲームソフト名」などをタイトルに含めるようにします。
このようにSEO対策(検索エンジンで上位表示させるための施策)を考慮したSEOライティングの基礎は押さえたいものです。とはいえ、「読んだユーザーが面白いと思えるか?」「興味を持てるような内容か?」という視点が最も重要です。その視点がユーザーのためになる、良質なコンテンツの作成に繋がり、Googleも評価するからです。
その商品が思わず欲しくなるようなストーリーを書くことができれば、商品の新しい魅力の見せ方と共に集客効果が期待できます。
集客方法3. AD流入:広告を活用しよう
ネット広告はネットショップの集客を促進させる手段として効果的です。 方法は大きく分けると3つあります。
3-1. 検索連動型広告とネットワーク広告
まず、GoogleやYahoo!といった検索エンジンに広告を出稿する「検索連動型広告」についてです。検索連動型広告(リスティング広告と呼ばれることが多い)はYahoo!やGoogleなどでユーザーが商品に関連のある言葉を検索した際に、その検索結果に連動して表示する広告のことを指します。
表示のコントロールが可能で、広告料を出しさえすれば検索結果の上部に表示させることが可能です。設定にかかる時間も比較的短くてすむので、成果がすぐに出したい場合に有効です。
3-2. アフィリエイト広告
次に、「アフィリエイト広告」を説明します。アフィリエイト広告とは、ブログやWebサイトに貼ってもらう成果報酬型の広告です。ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)に登録したユーザーが、商品を紹介できます。アフィリエイトを行うのは、法人の場合もあれば、個人の場合もあります。
その広告が元で成果がでた場合に報酬が発生する仕組みとなっているので、掲載側は何らかの成果を出すために色々と施策を打つのが特徴です。その商品に対するレポートやブログを書いて広告を貼る人も多いので、広告というより口コミのような効果が期待できる場合もあるでしょう。
3-3. SNS広告
最後に、「SNS広告」です。SNS広告とはSNSに載せる広告のことで、ターゲットを正確に設定できるのがメリットになります。
SNSを利用するユーザーは自分の年齢、趣味、住居などをプロフィールに記載していることが一般的です。そのため、そこに広告を貼るということは、その情報に合わせたターゲティングが可能になります。
集客のコツ1. ターゲット層とペルソナの絞り込み
ネットショップに集客するコツとして、ターゲットやペルソナの絞り込みはとても重要なポイントです。
SNSやブログ、広告の活用は、ターゲット層やペルソナの絞り込みができていないと大きな効果は期待できません。女性、男性、若年層、中高年以上、主婦、サラリーマンなど、どの層をターゲットにしたいのかを明確にしたうえでペルソナを設定するのが重要になります。
集客のコツ2. スマホファースト
通信利用動向調査でもあるように、インターネットを利用する端末としてスマートフォンが約60%となっていて、ECサイトの利用時もスマートフォン経由での閲覧、購入は多くなっています。60代以上の年齢層への商材ではその比率は変わるため商材にもよりますが、スマホファーストでサイト制作、集客の方法を考えることが必要です。
Goolgeは「モバイルファーストインデックス」という、スマホサイトがページ評価の基準になることを発表しています。そのことからもスマートフォンでのページの見やすさ重要度がわかると思います。
URLはパソコンサイトとスマホサイトで分けずに同じURLでアクセスできるように設計するデザインならば、「レスポンシブデザイン」でスマホをベースにしてパソコンサイトでも問題ないようなデザインにするとよいでしょう。
また、ページの読み込みスピードを上げることは必須です。ページの読み込み速度は、ユーザーのサイトに対する満足度に大きく影響するからです。可能なページはAMP対応にするなど、スマートフォンを中心とした技術を積極的に取り入れていきましょう。
集客のコツ3. SEO対策は万全に
ECサイト制作では、SEO対策はほぼ必須といえます。
「SEO(Search Engine Optimization)」とは「検索エンジン最適化のこと」で、ユーザーが特定のキーワードで検索したときに自分のサイトが検索結果の上位に表示されるようにする対策を講じることです。
SEO対策には大きく内部対策と外部対策の2つがあります。
①内部施策
内部対策とは、サイト構造やコンテンツの内容を、検索順位を決めるGoogleが読み込みやすいようにすることと、サイトに訪れた読者が見やすい・読みやすいようにすることです。
サイト構造に関しては、動線設計・カテゴリの設計などの全体のページ構成やHTMLの記述方法についてなど、エンジニアリングの知識が必要な対策まで多岐に渡ります。
WordPressやネットショップの構築システムにはGoogleのSEO対策を半自動で行ってくれるようなツールやプラグインが備わっているので、初めての方はそのようなツールを利用するのが良いでしょう。
とはいえ、「特定のキーワードを検索したユーザーの検索意図を満たすコンテンツを提示できているか」という視点は忘れてはいけません。ユーザーの検索意図に適うコンテンツを制作・公開しましょう。
②外部施策
外部対策は、「自社のサイトが他からどのように見られているか?」「紹介したいようなサイトか?」という評価のようなものです。端的に言えば、自社サイトへの有用な被リンクの量が多ければ多いほどGoogleに評価されるということです。
他の人のブログやサイトなどから引用されたり、紹介されることがイメージしやすいでしょう。自然発生的な被リンクは評価対象ですが、作為的な被リンクは逆にマイナスの評価となることは注意しましょう。
無理をせず地道にユーザーにとって良い情報発信をし続けることが、結果的に最も有効な外部対策と言えます。