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ECサイトの構築にはさまざまな準備や知識が必要です。
そのため、ECサイトを立ち上げた経験がない場合、初心者ではサイトの構築が可能なのかわからないかもしれません。
さらに、構築できたとしても運用していくためのノウハウも知っておかなければ、トラブルが起こった際に対応できず、サイトを閉鎖しなければならないおそれもあります。
そこで今回は、初心者でもわかるECサイトの構築方法やトラブルが起こった場合の解決方法などを解説します。
ECサイトの構築に必要なもの
ECサイトを構築するには必要なものがいくつかあります。
まずはサイト名です。サイト名は好きな名前を適当に決めていいものではありません。
扱っている商材やサイトのコンセプトなどと関連付けることで、ユーザーから検索されやすくなります。
商材・コンセプトを元に、いくつかのキーワードを抽出して考えておきましょう。
次はECサイトの目標や方向性です。
まず目標を決めなければ今後の運営方法が定まらず、思うような成果を残せません。
ECサイトを運営する企業の多くは利益を目標にしていますが、これには注意点もあります。
それは、利益から売上に目標が変わってしまうケースです。
目標が売上を伸ばすことに変わってしまうと、たくさんの受注に対応するための手間や時間がかかり余計なコストが発生するおそれもあるので注意が必要です。
そして、方向性に関しては、どのような価値をユーザーに提供するのかを考えるようにします。
どんなモノでも販売してしまおうとすると、商品の管理や品質維持などが難しくなるリスクがあります。
そのため、方向性を固めて、どのような商品を販売していくのかをはっきりさせることが大切です。
次は、運営担当者の決定を行います。
運営担当者は自社で扱う商品の知識はもちろん、SEOやWEB広告などの知識も必要です。
幅広い知識を柔軟に活用できる人材に任せるようにしましょう。
また、ECサイトの構築にかかる初期費用やランニングコストなども算出します。
初期費用が発生するのは、サーバーの設置や受注管理システムの導入、サイトのデザインなどです。
そして、自社ですべての運営を行う場合は人件費や担当者の教育費などのランニングコストが発生します。
すべて外注する場合は商品登録や配信業務、サイト分析などの費用がかかります。
これらの費用をあらかじめ算出し、予算内に収まるかどうかを把握しておきましょう。
次はワイヤーフレームや運用フローを考えます。
ワイヤーフレームはサイトのトップページやカテゴリページなど全体のレイアウトです。
ワイヤーフレームがあることで、どのページをどこへ作るべきかを理解しやすくなります。
運用フローの検討はサイトの更新頻度や商品の手配方法、コールセンターの運用方法など、サイトに関わる各業務のフローを考えることです。
運用フローがあると、サイト運営で起こるトラブルを未然に防ぎ、効率的な運用につながります。
そして、ここまでの準備が終わると、次はサイトをオープンするまでのスケジュールを決めます。
このスケジュールの決定では、基幹システムとの連携や決算システムとの連携、運用テストなど、より具体的な工程のチェック作業も含みます。
それぞれの工程に関する細かいスケジュールは立てられないこともありますが、大まかなスケジュールを決めておくと重要な確認事項の漏れを防ぐことにつながります。
最後は登記簿謄本や印鑑証明書などの準備です。
ECサイトで買い物をする際の決済方法(クレジットカード決済やコンビニ決済)の審査には、登記簿謄本と印鑑証明書が必要になります。
注意点として、どちらの決済方法の審査も印鑑証明書を取得してから有効期限(3カ月以内など)が決められています。
取得時期に関してはサイトの運用開始日も考慮しておきましょう。
初心者がECサイトを構築するには?
ECサイトの構築には大きく分けて4つの方法があります。
それは、ASPやクラウドサービスを利用して構築する方法とECサイト構築に特化したオープンソースを利用する方法、ECサイト専用ではないオープンソースを利用する方法、完全に自社で構築する方法です。
初心者がECサイトを立ち上げる場合は、1つ目のASPやクラウドサービスを利用して構築するのがおすすめです。
理由は、ECサイト構築の費用として適切でありながらも構築だけではなく、ECサイトによく使われる機能・ツールが無償で提供されるからです。
ASPやクラウドサービスを利用すると、自社で必要な機能を追加したり、サイトの管理・運用を行ったりする必要がありません。
構築後の管理や運用、改善までをサービスを提供している会社が解決してくれることが見込まれるため、初心者でもECサイトを構築しやすいのです。
個人の場合は無料利用から始める
個人でECサイトを構築しようと考えている場合、無料のASPやクラウドサービスを利用しても3つ程度の手順で開店できます。
具体的には、無料ASP・クラウドサービスへの登録と商品の登録、そしてECサイトのデザイン決定です。
登録に関しては、ECサイトのアドレスやメールアドレス、パスワードなどの個人情報があれば登録できます。
商品の登録とは、扱っている商品の名前や価格、画像、紹介文などを登録することです。
最後のデザイン決定では、サイトの背景テンプレートの選択やカラーを選択します。
これらはサイトのコンセプトに合わせて選ぶようにしましょう。
ここまでの流れが完了すると、ECサイトを公開します。
最短でも15分程度あればECサイトを構築できます。
決済機能に関してはサービスを提供している会社が代行してくれるため、自分で準備する必要はありません。
さらに、ECサイトの運営に必要な機能なども揃っているので、機能を追加しなくても運営を続けられます。
また、少しでも早くECサイトを構築して開店したい場合は、扱う商品数を少なくしましょう。
商品数が少なければ、サイトへ掲載する写真や価格の決定などの準備が少なくなるほか、登録にかかる手間も少なくなります。
そのため、より手軽にECサイトの構築ができ、早く開店することができます。
法人の場合は有料サービスを利用する
法人のECサイトをつくる場合は有料のEC運営会社の利用も検討しましょう。
有料のサービスは無料よりも機能が豊富で、サイトに個性を持たせやすくなっています。
特に、コンセプトや方向性によりマッチしたECサイトを作りたい場合は有料サービスが最適です。
また、年商が1億円を超えない場合、月額数千円のASPでも問題なく運用できます。
しかし、この運用コストを超えるようであれば、カスタマイズ可能なパッケージの利用も検討しましょう。
カスタマイズができるとECサイトに関わるさまざまなシステムの連携が可能であるほか、サイトのデザインも自由にできます。
ある程度のコストをかけるのであれば、自社にマッチしたECサイトを作れるパッケージを選ぶこともひとつの選択肢です。
有料サービスを利用する場合、どの程度のコストがかかるのか、相場を確認しておきましょう。
理想的なECサイトを構築できたとしても、予算を大きく超えるようであれば運用方法を検討し直さなければなりません。
年商に合わせたステップアップがコツ
ECサイトは会社の年商に合わせて改善させていくことが大切です。
年商が上がっていくということは、それだけ多くの商品が売れますし、顧客の数も多くなります。その分、システム上は顧客管理や商品管理、受注管理、出荷管理なども連動し、管理が難しくなってしまいます。
初心者でもできるECサイト構築の手法、これらはあくまでECを始めるための準備段階です。ここで重要なのは、新規のお客様がどうやって流入し、どのような流れで購入まで至るのかというECサイト設計に関する知見です。
各EC支援会社のお役立ち資料をダウンロードしたり、問い合わせることでショップを拡大させていきましょう。