ネット通販を運営するなら覚えておきたいabc分析の方法

ネット通販を運営するなら覚えておきたいabc分析の方法

ネット通販の売上向上のためには現状分析が必要です。さまざまな手法がありますが、最も一般的なものが「abc分析」でしょう。商品には寿命があり、発売開始から発売終了までの、どの時期にあるのかを見極めることは基本中の基本です。これを、マーケティング用語では「売れ筋」や「死に筋」などと呼んでいます。abc分析の理論的基礎となっている考え方は、パレートの法則やロングテールの法則です。この記事では、ネット通販の売上を上げたい人を対象に、abc分析の方法と基礎理論について解説していきます。

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在庫管理で使用されるabc分析とは?

abc分析とは、売上高の多い順に商品をa、b、cなどに分類して管理をする分析手法です。重点分析とも呼ばれています。主に、商品在庫管理で使用される方法です。abc分析によって、売れ筋商品や売れていない商品がわかり、在庫管理や仕入れに反映することができます。具体的なやり方としては、数値の計算や集計を行うため、マイクロソフト・エクセルなどの表計算ソフトで処理するのが一般的です。たとえば、次のような処理手順で分析を行います。まず、商品ごとに売上を集計して、売上高をキーにしてソートします。次に、構成比と呼ばれる全体の売上高に対する商品ごとの売上の割合を算定し、得られた割合を上位の商品から累積するのです。 最後に、この割合の累積のパーセンテージをもとに、商品をabcの三つのクラスに分類します。たとえば、累積売上高の割合が70%を占める商品グループを「a」、70%~90%の商品グループを「b」、90%~100%の商品グループを「c」などと分類するのです。このとき、aが最も全体の売上に貢献している商品となります。逆に、cはそれほど動いていない商品とみなせます。つまり、全商品のなかで特に売上が高いものの割合を、上位から70%になるまで足していったときに、そこに含まれる商品を「a=売れ筋」とみなすのです。 表計算ソフトを使用している場合、グラフ化機能を活用して視覚的に表現すると理解しやすくなります。主に使われるのは、全体と部分の関係が最もわかりやすい円グラフです。

パレートの法則が元になっているabc分析

abc分析を行ううえで理解しておきたい考え方が「パレートの法則」です。イタリアの経済学者が発見した統計モデルで、もともとは所得分配を考えるときの経験則でした。全体の2割の高額所得者によって社会全体の所得の8割が占められているというものです。その後、パレートの法則とその視覚化版であるパレート図は、経済学だけではなくマーケティングなどさまざまな領域で応用されています。その場合は「構成要素の不均衡」という点が理解のポイントになるのです。2割の要素が8割を占めるため、通称「ニハチの法則」や「20:80の法則」とも呼ばれます。 在庫管理のabc分析に応用すると、全商品のうちの2割が売上の8割生み出しているという考え方になります。たとえば、全商品が10品目あり、月の売上が100万円の店舗があったとします。パレートの法則を適用すると、最も売れている上位2品目の商品が、売上の8割となる80万円を生み出しているとみなすわけです。

商品を3種類に分ける!abc分析の考え方

パレートの法則から導き出されたabc分析では、利益を生み出す商品はそれほど多くはないという考え方が基本になります。そこで、利益を生む商品とそうではない商品を分類して、それぞれの管理方法の最適化を目指すのです。abc分析による在庫管理では、取り扱う商品群を3つのグループに分類します。一般的にはabcという記号を当てるため、abc分析と呼ばれるのです。具体的には、エクセルなどを用いて算出されたabcという3つのクラスに分類された商品群に対して、個別の販売戦略を適用します。 1つ目の、aグループは「売れ筋商品」です。全体の1割程度の商品を分類することが一般的です。全体の売上高に最も貢献しているのですから、優先的に管理する必要があります。aグループの商品在庫を保管する倉庫には、迅速な流通環境が確保できるように最大限配慮しましょう。発注から納品までのリードタイムを把握して、在庫切れを起こさないようにする必要があります。その際、商品のメーカーやロジスティクスを請け負う運送会社との密接なコミュニケーションが鍵となるのです。また、AIを活用した分析ツールなども使って、蓄積された販売データからの商品別の販売予測も同時に行います。 2つ目の、bグループの商品は中程度管理品目扱いです。全体の2割程度の商品がこれにあたります。いわば「売れ筋」でもなく「死に筋」でもない、中間的な立場の商品です。販売予測などは精微に行わず、人材や資金などのリソースの配分も抑え気味にします。ただし、環境によってはaグループに昇格する可能性もあるため、品質の改良やPR戦略などへの継続的な投資は欠かさないようにします。 3つ目は、cグループで「死に筋商品」といわれています。一般管理品目となり、全体の7割程度の商品群がこれにあたります。売上への貢献がそれほど見込めない商品と言えるでしょう。在庫管理としては、顧客の継続的な需要への対応が主目的となり、在庫がなくなった時点で発注するのが一般的です。また、同じコンセプトの商品は、1種類の在庫のみ確保します。つまり、戦略的マーケティングの対象からは外されるのです。結果として、ある程度の期間であれば、機会損失があったとしても在庫切れは容認され、販売予測も必要なしとみなされます。状況によっては、商品の取り扱いの停止を検討する対象でもあるのです。

売上の逆転減少?ロングテールの法則とは?

abc分析を行ううえで、パレートの法則とともに理解しておきたい考え方があります。それが「ロングテールの法則」です。この法則は、インターネットを使ったEC店舗などでよく見られる現象を説明しています。abc分析では、aの売れ筋商品にリソースを集中して、さらに売上を伸ばそうとする戦略を取っていました。このとき、cの一般管理品目の売上には期待しなかったのです。ところが、現実のEC店舗の販売では、cの死に筋商品の売上が、aの売上を上回る場合があります。これは、検索エンジンから死に筋商品を見つけて、ネット通販で購入する消費者が増えてきたことで起こった現象といわれています。 店頭で販売する店舗と比べて、EC店舗では在庫を維持するコストを低く抑えることが可能です。そうなると、cグループに属する商品であっても、在庫の種類を増やすことができるのです。一定の売上が上がるようになれば、商品ごとの売上は少なくても、商品の種類が増えれば増えるほど、全体の売上への貢献度が高くなっていきます。これをロングテールの法則と呼んでいるのです。死に筋商品を重要視していなかったパレートの法則に対して、ロングテールの法則は死に筋商品に光を当てました。EC店舗での売上を考える際には、cの死に筋商品も在庫として持っておく必要性があるのです。

abc分析で得た結果の活かし方

abc分析によって得えられた分析結果の活かし方について考えてみましょう。aに分類された売れ筋商品でセットメニューを作り、客単価を上げるという方法は効果的です。また、bに分類された商品を、将来の売れ筋商品に育てていけるかについて検討することも必要と言えます。cに分類された死に筋商品であっても、消費者が商品を購入するうえで他の商品と比較検討するための選択肢のひとつになる役割が期待できます。 具体例として、アパレル業界で「見せ玉」と呼ばれる商品があり、非常に鮮やかな色使いや先進的なデザインなど魅力に感じられます。手を伸ばしやすい値段もついていて顧客の関心も引くのですが、実際には大量に売れることはありません。ただし、売り場での比較対象としての重要な役割を持っているのです。 在庫管理については、bもcも売れていないからといって在庫を減らすのは、ロングテールの法則という観点から再考の余地があります。とはいえ、廃棄ロスのリスクもあるため、bとcの商品は利益と在庫のバランスが取れているかを検討する必要があるでしょう。

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