物販分野におけるecの市場規模は?意識したい戦略ポイント

物販分野におけるecの市場規模は?意識したい戦略ポイント

企業のec事業を担当しているなら、BtoCの市場規模の成長が見込める分野はぜひ知りたいと思いますよね。

現在の市場規模や増加率などから今後の市場の見通しを予測して、ビジネスチャンスを逃さないようにしましょう。

この記事では、BtoCにおける分野別の市場規模や、市場規模の成長が期待できる分野を紹介します。

データからわかるec事業の戦略ポイントについてもくわしく解説するので、自社のec事業を成長させるための参考にしてみましょう。

事業戦略のために把握しておきたいec化率とは?

ec事業戦略を練るうえで、ec化率についてしっかり把握しておくことは大切です。

まず、ecとは電子商取引の略のことで、いわゆるネットショッピングのことを指しています。

次に、ec化率とは、すべての商取引のうちのecの割合を示した数字のことです。

実店舗における販売などは含まず、インターネット上で行われた取引がすべての取引の中でどれほどの割合を占めているのかを指しています。

このec化率をチェックすることで、ecによる市場規模の現状を把握でき、これから成長していく分野を予測できます。

たとえば、すでにec化率が高い分野は、インターネットにおける売れ行きが良いということです。

新たにその分野に参入するときは、オンラインを基盤に販売戦略を練ることになるでしょう。

反対にec化率が低い分野は、なぜec化率が低いのかをまず考えてみることが大切です。

ecによるメリットが少なく、参入が難しいためにec化率が低くなっている分野もあります。

そうではない場合は、オンラインにおける競合他社の参入が少なく、ビジネスチャンスが眠っているのかもしれません。

このように、各分野におけるec化率を分析するなら、自社のec事業を成長させるための効果的な戦略を立てることができます。

新規参入すべき市場の見当をつけるときにも、ec化率を知っておくことは役立つでしょう。

経済産業省のデータをチェック!日本におけるBtoC市場規模

経済産業省による「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」は、日本におけるBtoC市場規模を知るうえで参考になります。

BtoCとはBusiness to Consumerの略で、消費者を対象とした取引を指しています。

企業間や個人間の取引は含まれていません。

この報告によると、2017年の国内BtoC市場規模は、16.5兆円です。

このBtoC市場規模を、前年度のものと比べてみましょう。

2016年のBtoC市場規模は15.1兆円でした。

総計を比べてみると、2016年から2017年にかけてBtoCの市場規模は金額が1.4兆円、伸び率は9.1%も増えていることがわかります。

ec化率は、2016年は5.43%でしたが、2017年には5.79%になりました。前年から0.36%と微増していることが読み取れます。

BtoCに比べてBtoBの伸び率は大きい!

BtoCの市場規模を考慮するうえで、参考としてBtoBの市場規模もチェックしておきたいものです。

BtoCに比べてBtoBの伸び率は大きい!

BtoBとはBusiness to Businessの略で、企業間の取引のことを指しています。

経済産業省の同じ報告によると、2017年の日本のBtoB市場規模は317.2兆円です。

前年は291兆円だったので、金額で26.2兆円、伸び率は9.0%増加しています。

BtoB市場規模のec化率は29.6%で、BtoCに比べて大きく拡大していることがわかります。

BtoCに比べてCtoCは微増

次に参考としておさえておきたいのは、CtoCの市場規模です。

CtoCはCustomer to Customerの略で、個人間で行われる取引を指しています。

企業や店舗ではなく一般の消費者が、同じく一般の消費者にモノやサービスを提供する取引のことです。

2017年のCtoCの市場規模は、1兆1200億円でした。

前年度の1兆849億円と比較すると、金額で351億円、伸び率で3.2%増加しています。

CtoCの取引スタイルとして代表的なのは、個人が不用品などを販売するフリーマーケットです。

フリーマーケット自体は特に新しいものではありませんが、フリーマーケットアプリの普及などにより、オンラインでだれもがフリーマーケットに気軽に参加できるようになりました。

一般の人が販売を行うハードルが下がったことで、CtoCの市場規模も増加傾向にあることが読み取れます。

もっとも伸びている物販分野のec化率

経済産業省の報告から、業種別の市場規模も考察してみましょう。

もっとも市場規模が大きいのは、物販系分野です。

2017年の物販の市場規模は8兆6008億円で、前年から7.5%も伸びています。

金額でいうと、5965億円も増加しました。

多くの人が、モノをインターネットで購入することにますます抵抗を感じなくなっていることがわかりますよね。

2番目に大きい市場規模を持つのは、サービス系分野です。

これには、飲食や旅行、宿泊、理美容などの分野における取引が含まれています。

サービス系分野の2017年の市場規模は5兆9568億円で、前年と比べると11.3%増加しています。

増加した金額だけ見ると物販系分野よりも大きく、6036億円です。

飲食店や理容・美容院を利用する際に、インターネットで事前予約をして決済まで終わらせてしまう人が増えているのでしょう。

航空券やホテルの予約を取るときに、インターネットを活用する人も多くいます。

3番目は、デジタル系分野の1兆9478億円です。

前年度からの伸び率は9.5%で、1696億円の増加です。

この分野では、電子書籍サービスや有料動画配信サービスが世間に浸透しつつあり、多くの人に受け入れられるようになったことが数字にも反映されています。

インターネットと接続できるテレビの普及などを背景に、今後も増加が見込める分野といえるでしょう。

ecのスマートフォン比率は多くの分野で増加

ec化率のうち、スマートフォン経由の取引はどれほどあるのでしょうか。

もっとも市場規模が大きい物販系分野を例に、スマートフォン経由の市場規模のデータを見てみましょう。

ecのスマートフォン比率は多くの分野で増加

2017年の物販系分野の市場規模8兆6008億円のうち、スマートフォンを経由した取引は3兆90億円でした。

つまり、スマートフォン比率は35.0%ということです。

2015年のスマートフォン比率は27.4%、2016年は31.9%なので、スマートフォン比率は年々着実に増加していることがわかりますよね。

通信環境の整備が進んだことや、スマートフォンを持つ世代が拡大したことなどが背景にあるでしょう。

今回取り上げた物販系分野だけでなく、サービス系分野やデジタル系分野においてもスマートフォン比率は増加しています。

今後はどの分野においても、インターネットを利用する際の端末の基準は、パソコンではなくスマートフォンになると考えられています。

気になる越境ec市場!もっとも増加しているのは中国

インターネットを利用すれば、国境を越えて取引を行うことも容易になります。

そこで、日本だけでなく世界に目を向けて、越境ec市場規模についても考えてみましょう。

気になる越境ec市場!もっとも増加しているのは中国

越境ecとは、国境を超えて取引を行うオンラインショップのことです。

日本におけるアメリカからの購入は2327億円で、前年と比べると7.2%伸びています。

中国からの購入は243億円で、前年から7.3%の増加となっています。

一方、アメリカへの販売は7128億円で、中国への販売は1兆2978億円です。

前年比を見てみるとアメリカへの販売が15.8%、中国への販売は25.2%も増加しています。

越境ec市場においては中国への販売の増加率がとても大きく、まだまだ需要が見込めるといえるでしょう。

データからわかるec事業の戦略ポイントとは?

ec事業においてマイナス要素となり得るのは、購入する前に消費者が商品の実物を確認できないことです。

そこで、そのマイナス面を埋めるために、消費者が使いやすいサービスを提供することは欠かせません。

ec事業でも良いサービスを提供した例として挙げられるのは、衣料品の「採寸ボディースーツ」です。

スマートフォンのカメラで簡単に全身のサイズを計測するサービスを提供することにより、「試着できないのでサイズが合わないかもしれない」という消費者が不安に感じる要素を取り除きました。

このように、インターネットでも安心して買い物ができるサービスを提供するなら、消費者に広く受け入れられるに違いありません。

物販系のどの業種においても、スマートフォン対策は大切です。

スマートフォンに合わせて見やすい表示にするなど、スマートフォン利用者を意識したホームページの運営は必須でしょう。

また、越境ec市場の盛り上がりも見過ごせません。

品質の良い商品を購入したいという中国の消費者の存在は、大きなビジネスチャンスになり得ます。

ターゲットを絞ってマーケーティング戦略を練り、ブランド力や品質の高さをアピールすれば成功につながることでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ECにとって市場規模等マーケティング戦略は必須です。

今までの常識にとらわれずに、分析をし続けることは重要で、これから始める方にとっても市場規模を把握することは大切です。

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