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ECサイトの収益を効率的に上げていくためには、crm戦略についての理解を深めておくと役に立ちます。
crm戦略を通して顧客管理を強化することで、ECサイトの運営が今よりも捗る効果が期待できるでしょう。
それでは、crm戦略をうまく導入するためにはどんなポイントを押さえておけばよいのでしょうか。
今回は、crm戦略とは何かということや、導入するメリットとその成功事例、そして導入に失敗しないためのポイントについて解説していきます。
crm戦略とは何か?
新たな経営理念としてアメリカで誕生したcrmという言葉は、2000年代に入ってから日本国内でも広まり始めました。
crmとは「カスタマー・リレーションシップ・マネージメント」を略した言葉で、顧客管理や顧客関係管理のことを意味しています。
crm戦略は、企業と顧客の接点をあらゆる角度から管理し、それによって得たデータを基にして顧客との関係性をさらに深めていくことを目的として行われます。
crm戦略を実践していくことで、顧客の満足度やロイヤリティを向上させて収益を上げる効果を見込めるのです。
個々の顧客に合わせて個別に働きかける「One to Oneマーケティング」とは異なり、crmでは主に顧客全体の傾向などを分析して業務効率の向上を図ります。
また、crmのシステムは4つの活動から構成されるサイクルを回すことでうまく機能するものです。
まず、マーケティングを実施して見込顧客の獲得やデータベースの構築を図り、次に見込み顧客を精査しながら営業活動を行います。
営業活動の結果として商品やサービスの注文を受けたら「どんな商品がよく売れるのか」といった情報を活かしてマーケティングの活動内容を改善します。
このようにしてcrmのサイクルを回していくことで、企業は収益の向上や事業の拡大を図ることができるのです。
crmシステムの顧客管理機能にはさまざまな種類があります。
まず挙げられるのが、性別や年齢、購買記録などの顧客情報を管理する機能です。
そして、これらの顧客情報を分析する機能によって、顧客の購買行動の傾向やマーケティングの費用対効果を把握することができます。
そのほかにも、マーケティングや営業活動を支援する機能や、アフターフォローなどを効率的に実施するためのカスタマーサポート機能などがあります。
crmを導入するメリット
crmを導入することには、企業側、顧客側のどちらにとってもメリットがあります。
企業側にとっての1つ目のメリットは、情報が目に見えるようになり、資産のひとつとして扱えるようになるということです。
従来のやり方では、それぞれの担当部署に分散していた情報が、crmを導入することで全社員によって共有されるようになります。
その結果、収益を上げるためのマーケティング戦略などに全体的な情報を有効活用することができるのです。
このように、情報が一元管理できることで営業活動を戦略的に行えるということが2つ目のメリットだと言えます。
さらに、3つ目のメリットは、顧客を適切にサポートしながら顧客への情報発信を効率的に行えるようになるため、顧客満足度の向上が図りやすくなるということです。
次に、顧客側にとっての1つ目のメリットとして、顧客管理が適切に行われることで、必要な情報を入手しやすくなるということが挙げられます。
また、顧客情報の可視化によって、気遣いの行き届いたサポートや的確な提案を受けられるようになるということが2つ目のメリットだと言えます。
そして、情報が企業内で共有されているので、担当者の変更などによるトラブルがなくなるということが3つ目のメリットとして挙げられます。
crm導入の成功事例
ここでは、crmを導入して成功した事例を2つ紹介します。
まず、リサイクルショップと飲食店を経営している企業では、規模の拡大に伴って情報をまとめることが困難になり、次のアクションを起こすまでに時間がかかっていました。
それまでの顧客満足度を維持するためにも、リアルタイムで事業戦略を実施できるようにしなくてはならないという課題があったのです。
また、社員の人数が以前よりも増えたことで、継続的に良質なサービスを提供するために、顧客管理を一元化して社員が集中して働ける環境を用意する必要がありました。
そこで、crmを導入することで各店舗の情報を1箇所に集めて管理できるようにするという対策を行いました。
その結果、販売や発注の管理に要する時間が大幅に短縮され、事業運営の効率化を実現することができたのです。
また、経営層はcrmシステムにアクセスすればリアルタイムに情報を知ることができるようになったので、迅速に意思決定が行えるようになりました。
このようにして、crmを導入することで迅速に事業戦略を展開することができるようになったのです。
次に、カフェやバーのフランチャイズ展開とコンサルティングを行っている企業では、crm導入によって業務効率の改善を実現しました。
この企業では、1人のSVが平均で10店舗のサポートを担当しており、その多忙さから発生した問題への対応が遅れるという課題を抱えていました。
また、業務を行ううえで必要な情報が散在していたために、情報を集める作業にも時間がかかっていたのです。
そこで、crmを導入して円滑に情報が共有できるような環境を構築し、SVが効率よく業務を行えるように取り計らいました。
その結果、情報の集計にかかる時間を大幅に短縮することに成功し、リアルタイムで問題を検討できるようになったのです。
crm導入で失敗を防ぐポイント
crmは、ただ闇雲に導入すればよいというものではありません。
crm導入の失敗を防ぐポイントとして、まずは既存顧客の育成を目的として適用を始めていくということが挙げられます。
新規顧客を獲得して収益を上げるためにかかるコストは、既存顧客の場合の5倍だといわれています。
crm導入当初はリスクの高い新規顧客の獲得を避け、既存顧客の定着を図りながら運用し、効果をモニタリングしていくようにするとよいでしょう。
そして、crmによって既存顧客をうまく定着させられることが検証できてから、徐々に見込み顧客へと運用を拡大していくのが効率的なやり方だと言えます。
次に、導入しただけで放置しないということも大切なポイントです。
crmを導入してから費用対効果が向上し始めるまでには、ある程度の時間がかかります。
そのため、いつまで経っても効果が現れないと感じて担当者がモチベーションを失ってしまうこともあるでしょう。
しかし、crmの導入を成功させるためには、辛抱強く運用し続ける必要があるのです。
また、せっかくcrmを導入するのであれば、社内で共通の運用ルールを決めて関係者が使いやすいようにするとよいでしょう。
ルールを決めるときのポイントとしては、あまり細かすぎる項目は設けないことや、定期的に内容を見直すようにすることなどが挙げられます。
crmの運用ルールは厳格に定めてしまうと本来の目的を見失うおそれがあるため、状況に応じてフレキシブルに設定するようにしましょう。
安定した顧客管理を行うには?
事業の拡大や収益の向上を図るうえで、crmを導入することは効果的な方法だと言えるでしょう。
そして、crm戦略を効果的に行っていくためには安定した顧客管理を続ける必要があります。
しかし、人手が足りなくて社内の人間だけでは顧客を管理しきれないというようなこともあるでしょう。
そうした場合には、さまざまな機能が使えるカートシステムである「サブスクストア」を利用してみるのもひとつの手です。
「サブスクストア」に頼れば、適切な解決策を提示してくれることが期待でき、顧客管理も任せることができるでしょう。