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ネットショップは、食品や美容、衣類、書籍、旅行、体験型サービスなど様々な業界で活用されており、今では多くの企業にとって欠かせないチャネルの一つになりました。
またBASEやストアーズのように無料で始められるサービスも人気で、誰もが簡単にネットショップを作れるようになっています。
ただ、簡単に始められるネットショップも、しっかりと準備しなければ利益をあげることは難しいでしょう。
この記事では、ネットショップの正しい制作のステップや失敗しないポイントをご紹介します!
ネットショップ制作に欠かせないカートシステム
ネットショップ(ECサイト)とは、商品やサービスをインターネット通して売買するためのウェブサイトです。
自社でネットショップを制作する場合は、予算や扱う商品に応じて最適な制作方法を選ぶことが最初のステップになります。
ネットショップ運営に必要なカートシステム
カートシステムとは、ネットショップで買い物ができるようにするためのシステムで、リアル店舗の買い物カゴとレジのような役割を果たします。
ネットショップの要となるカートシステムには、買い物カゴとしての機能以外にも、受注管理、商品管理、出荷管理、顧客管理などの機能や、決済連携などの機能があります。
ネットショップにはいくつかの「型」があり、それによってネットショップ制作の手順は変わります。
カートタイプ別ネットショップ制作の手順について
最近のカートシステムには、商品を選んでカートに入れるという基本的な機能以外にポイント機能や顧客管理(CRM)機能も備えられています。
ここでは代表的な4タイプのカートシステムの特徴を解説していきます!
代表的なカートシステムには以下のようなものがあります。
・モール型
・ASP型カートシステム
・専用カートシステム
・パッケージ型カートシステム
まずはじめにモール型ASPを使ったネットショップの制作方法をご紹介します。
モール型ASPの構築手順
モール型ASPは、楽天やAmazon、ヤフーショッピングなど既にあるプラットフォームに出店することを指します。
それぞれのモールに出店する流れは、比較的簡単です。
モール側で用意しているテンプレートに、商品やサービスの画像やテキスト情報を入力していくだけで簡単にネットショップを構築することができるからです。
手順1:申し込み
資料請求や問い合わせ窓口からモール企業へ出店の申し込みをします。申し込みから約2週間~1ヵ月程度でアカウント開設が可能になります。
手順2:開店準備
決済方法や配送方法の準備、サイトデザインや商品の出品など、審査・運営に必要な最低限の部分を始めに用意します。
楽天市場の場合、アカウント開設後は店舗運営システムであるRMSの利用が可能になります。楽天市場にはオープン審査があるので、審査に向けて準備をおこないましょう。
手順3:開店
オープン審査が完了すれば、ネットショップの開店です。開店後はマーケティングや販促活動をして、商品・サービスをお客様に購入していただけるような工夫が必要になります。
ASP型カートシステムの構築手順
設定方法や構築方法はASPの数だけ多岐に渡りますが、共通している大枠としての構築手順は以下のようになります。
手順1:ショップ作成
ショップの名前や運営会社の情報、ご利用案内、お問い合わせ先など、ショップの基本情報を準備して設定していきます。
手順2:デザイン制作
トップページ、商品ページのデザインや、注目させたい商品・サービスを目立たせるバナー、ショップオリジナルのロゴなどのイメージ部分を制作していきます。
手順3:決済・注文方法
クレジットや、後払い、代引きなどの決済方法の指定や、手数料などを決定していきます。
手順4:配送関連
どの運送会社を利用するか、また配送料金などを設定します。
手順5:商品管理
販売する商品・サービスを登録します。
手順6:特定商取引法に基づく表示
ECサイトを運営する上で重要な法律である「特定商取引法」は、必ず掲載が必要になるので、注意しましょう。
専用カートシステムの構築手順
モール型やASPよりも自由なカスタマイズが可能で、一般的にはシステム開発が必要になります。余裕を持った工程で構築することをおすすめします。
手順1:要件定義
ネットショップの企画内容を細かいところまで具体化します。それをシステム要件に落とし込んで要件定義書を作成します。
これ以降の工程は基本的には制作会社を中心とした作業になるので、この要件定義の段階で漏れが無いように共有することが大切になります。
手順2:設計
要件定義書を元に、システムの制作会社が画面設計・機能設計・項目定義などを実施して、システム設計書を作成します。 このシステム設計書を確認し、問題が無ければ次の工程へ進みます。
手順3:開発
作成されたシステム設計書を元に、制作会社がシステム開発を行います。
手順4:テスト
システム開発が完了したら、最後にテストを行います。
テストではシステムが設計書通りに動作するか、外部システムと連携が問題なくできているかなど細かく実施します。
パッケージ型カートシステムの構築手順
パッケージ型カートシステムというのはネットショップ構築に必要な基本機能があらかじめ用意されているシステムです。
基本機能にカスタマイズを追加して、独自のネットショップを構築することができるという特徴があります。比較的に大きなネットショップの運営に向いています。
手順1:要件定義
要件定義の中で特に重要なポイントが業務フローの策定です。
受注が入った後どのように社内で処理を行いお客様へ配送するのか、またその際に必要なデータのやりとりは何かなど、行うであろう業務毎に検討する必要があります。
手順2:設計
要件定義書をもとに、制作会社側が画面設計・機能設計・項目定義などを実施して、システム設計書を作成します。
ネットショップと連携する基幹システムやサービスがある場合は、しっかりと確認しておきましょう。パッケージによっては連携できないプログラムもあります。
手順3:開発
作成されたシステム設計書を元に、制作会社がシステム開発を行います。
手順4:テスト
システム開発が完了したら、最後にテストを行います。
テストではシステムが設計書通りに動作するか、外部システムと連携が問題なくできているかなど細かく実施します。
ネットショップ制作サービスの選び方のポイント
他のITサービスを選定する際と同様に、ネットショップ制作サービスを選定する際にも”基準”がないと良し悪しの判断ができません。
ネットショップのコンセプトや要件定義を固めて、それらを満たすようなサービスを選ぶようにしましょう。
ECサイト構築サービス選定で見るべきポイント
ECサイト制作サービスを選定する際は、以下のポイントに注意します。
・コスト
・機能の充実度
・セキュリティ
・サポート体制
良質な制作サービスを見つけたとしても、やはりそれ相応の資金がなければ利用しないほうが無難です。予算の許す範囲内で、条件にあった選択肢を選びましょう。
個人・フリーランス・初心者の見るべきポイント
個人やフリーランス、事業の初心者の場合は、初期のリスクをなるべく減らしたいのではないでしょうか。大企業やすでに知名度のあるブランドに比べ、かけられる予算も限られているはずです。
失敗してしまうリスクを減らしたいのであれば、無料で使用できる制作サービスから始めてみることをオススメします。
法人の見るべきポイント
法人のECサイト制作の場合、将来の事業戦略と照らし合わせて慎重にサービスを選ぶ必要があるでしょう。 初期費用を節約しようと安いサービスを利用したとしても、数年も経たずに機能に満足できなくなり、システムの乗り換えに想定していなかったコストと労力が発生してしまうかもしれません。
法人の事業担当者は、あらかじめ先々のことを見越しておくことがポイントになります。
代表的なネットショップ制作のポイント
ネットショップの見た目は奇抜さよりも、ユーザーが見て「使いやすそう」と感じるような構成、デザインを意識することがポイントになります。
多くのネットユーザーは、大手ショッピングサイトでの買い物に慣れています。
大手ショッピングサイトに人気が集中するのは、単に規模が大きいからという理由だけでなく、シンプルで使いやすいデザイン・構成だからという理由もあるでしょう。
ネットショップのサイトの構成は意外とシンプル
ネットショップは、企業サイトやニュースサイトと異なりユーザーが商品を見つけやすいようにする必要があります。というのも、商品を見つけられないという理由でユーザーがそのページからすぐに離れていってしまう可能性があるからです。
シンプルなサイト構成が多いのも、ネットショップの特徴です。
TOPページがあり、商品一覧(またはカテゴリ一覧)ページ、商品ごとの詳細ページ、カートページが基本で、この他にカートシステムの装備する機能によっては、お客様のマイページなどが付随するケースもあります。
お客様の多くはTOPページに訪問し、個別商品のページへ移動します。そのため、最初に訪れるTOPページの印象によってはすぐに店を出て(離脱して/直帰して)しまうので注意が必要です。
TOPページ
ネットショップのTOPページは、探している商品が見つけやすいレイアウトであることが望ましいです。
一般的に言って、見づらいサイトのデザインではユーザーの再訪率も低いです。
ページを開いた時に表示されるファーストビューの部分に、ショップの全体像をわかりやすく配置したり、販売する商品などを表示したりして、トップページを見るだけでこのストアがどんなストアであるかがわかるようにしましょう。
商品一覧ページ(カテゴリ一覧)
商品一覧ページの目的は、クリックさせて詳細ページへ遷移させることです。
大きな写真や商品名の他にキャッチコピー、商品に付随する情報をシンプルにまとめて配列しましょう。
商品詳細ページ
詳細ページは、購入の一歩手前の箇所です。そのため、商品の特徴や魅力を画像や文章を使用して余すことなく紹介しましょう。
文章や写真自体にも魅力を感じさせる工夫が必要で、初めてこのストアを見た人でも自然と商品に惹かれるようなクリエイティビティが重要になります。これとともに重要なのが、CTAとなる購入するボタンの配置です。
詳細ページのファーストビューに設置するのはもちろん、魅力を伝える画像・文章の後にも配置したり、お客様がページを下までじっくり見た後そのまま購入アクションに移ることも想定してページの最後にも設置する必要があります。
この他にも、ページで購入するボタンを識別しやすいように他の機能部分と色を分けるなどして認識されやすようにするという工夫も有効です。
カートページ
カートページは、商品を「はっきり見せること」がポイントです。
スーパーで買い物をするとき、商品をカゴの中に無秩序に入れてしまい、会計時に自分が何をかごに入れたかわからない状態になってしまったという体験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ネットショップでの買い物も同様です。
何がカゴに入っているのかが明瞭であることが、会計時の安心感につながります。
「お客様が何を買おうとしているのかをわかりやすくする」ということを意識してページをレイアウトしましょう。
そのポイントは、買い物に集中できる適切な情報量(過度な情報の排除)、知りたいことが理解できる情報のメリハリ、お店のトンマナ(デザインに一貫性を持たせること)を崩さないデザイン、この3つです。