LPの構成と読み進めてもらうためのポイントをご紹介

LPの構成と読み進めてもらうためのポイントをご紹介

サイトに訪れたユーザーが最初にアクセスするページを広義にLP(ランディングページ)と呼びますが、特にWebマーケティングの文脈でLPと言えば「広告やキャンペーンのリンク先として特別に制作した独立したページ」を指すことが一般的です。

商品の注文や資料のダウンロード、お問い合わせなどにおける訴求力の強いLPはサイト運営において重要です。今回はそんなLPの構成と読み進めてもらうためのポイントについてご紹介します。

LPとは?LPの役割とその特徴

まずは改めてLPの役割についておさらいしましょう。

インターネットを活用してビジネスを展開するのであれば、興味を持ってくれたユーザーに対して、モノを販売する場合は商品の詳しい情報(サイズや素材・価格など)を、サービスの場合はサービスの内容(受けられる場所や料金体系など)を説明するページが必要です。

一般にそれら商品・サービスの説明は、Webの場合以下の場所で行われます。

・ECサイト(ネットショップ)
・InstagramやFacebookなどのSNS
・ブログサイト
・YouTube、TikTokなどの動画プラットフォーム

しかしながら上記サイトやプラットフォームでは他のページやコンテンツに簡単に移動できてしまうため、各施策を打ってもなかなか売上に繋びつかないということが多々あります。例えばSNSやYouTubeなどで商品ページのURLをシェアしてもほとんどクリックされなかったり、サイト訪問直後に離脱されてしまったりといったケースです。

それでは商品ページを閲覧しているユーザーに、商品の説明を読んでもらいその流れのまま購入いただくにはどうすればよいのでしょうか。

そのような悩みを解決するのが、LP(ランディングページ)です。

一般的に、LPの特徴は以下の通りです。

LPの特徴
①縦長である
②他のページへ遷移するリンクがほぼ無い
③レイアウトが自由であり、画像や動画を用いることで多様な表現が可能
④ユーザーの購買行動を誘発する
⑤短い時間の中でユーザーに強いインパクトを与えられる

中尾豊『ビジネスを加速させるランディングページ最強の3パターン制作・運用の教科書』つた書房、2020年、p. 18を元に作成

現在ネットショッピングをする媒体としてスマホが中心となる中で、片手でスクロールして閲覧できる縦長LPの訴求力は高いです。

他にも、個人情報を入力するフォームとLPが一体となったフォーム一体型LPで訴求から購入までのスムーズな流れを作ることでCVRの向上が期待できますし、購入後のアップセルやクロスセルを訴求する内容のLPを作れば顧客単価の向上が期待できます。

またLPでは最初から特定の商品に絞っているため、わざわざ商品を探す手間が省けます。加えて特定の商品のみに絞って紹介しているので、ユーザーが他の類似商品と迷いにくいのもメリットです。

定番のLP構成とは?

定番のLP構成とは?

LP制作において重要なのは、ユーザーがページにランディングしてから入力フォームに至るまでの構成です。例えばユーザーの購入意欲が高まっていたとしても、サイト内で面倒な箇所・わかりにくい箇所があると購入意欲を失いサイトから離脱してしまいます。

したがってLPでは、フォーム入力に向けた全体の構成が考え抜かれていることが非常に重要です。

ここでは、定番のLP構成についてご紹介します。

売れるLP3つの型

LP制作にあたり、ツールを用いて自社で制作するか、ページ制作会社に制作を依頼することになるでしょう。いずれの場合も、LPに必要な要素として、

・ユーザーが商品が欲しくなるような論理展開
・ユーザーの感情に寄り添う表現

が含まれていることが重要になります。

特に前者の論理展開ですが、以下のような売れるLPの3つの型が挙げられます。

LPの型内容
①問題解決型モデル(Problem)問題を解決したい今直面している問題を解決したい、早く問題を解消したいユーザーの行動を促す内容
②欲求充足型モデル(Desire)欲求を満たしたい今すぐ必要ではないけれど欲求を満たしたいと思っているユーザーに訴求する内容(例:好きなブランドの服、行ってみたい旅行先など)
③潜在的需要型モデル(Latent Demand)潜在的に需要があるユーザーが商品やサービスの必要性に気づいておらず検索もしていない状態から、あるきっかけで自分にとって必要だと気づき商品やサービスを積極的に探し始める(需要が顕在化する)状態のときに求められる内容(例:ドライブレコーダー、防災グッズなど)

中尾豊『ビジネスを加速させるランディングページ最強の3パターン制作・運用の教科書』つた書房、2020年、pp. 28-30を元に作成

本記事ではその中でも採用する事業者が多い、問題解決型モデルの論理展開について詳しくお伝えします。

縦長LPは「顧客の得られる変化」「商品のメリットや強み・差別化」「他に使っている人の情報」などの要素をストーリー仕立てで1ページで訴求します。そのため今すぐに商品を欲しいと思っている、ニーズが顕在化しているユーザーに対して強い訴求力を発揮するのです。

問題解決型モデル(Problem)のLP構成

問題解決型モデルのLP構成は、問題を解決したいユーザーに行動を起こしてもらうための論理展開になっています。

LPは縦長で下にスクロールしていくので、上からユーザーに伝えたいことを記載していく必要があります。ただし自分たちが伝えたい商品説明だけでなく、ユーザーが知りたいことから伝えることが重要になってきます。

論理の流れコンテンツの内容
期待させる問題に直面しているユーザーに「問題が解決できそう!」と一瞬で期待できる内容を伝える
共感を得る「こんな問題が起こっていますか?」「あなたの悩んでいることはこれですか?」など質問形式で共感を得るパートを作る
解決方法(商品説明)を紹介する商品やサービスに関する詳しい情報を伝え、このパートに申し込みや購入へ誘導するバナーを挿入する
比較してもらう競合他社との違いや自社商品の優れているポイントのアピールをする
信用してもらう根拠や実績を示し初めての方にも信用してもらう(お客様の声なども有効)
不安を解消する購入方法、決済の仕方、キャンセルについてなど購入直前に生まれる不安を解消する
感情を動かす問題解決型は参入障壁が低いので競争が激しくなりやすいため、過当競争に巻き込まれて単価やサービスで勝負するのではなく、改めてユーザーに想いを伝えることが重要
行動を促すユーザーが次に何をすべきか(カートに入れる、フォームに情報を入力する)を具体的に伝える

中尾豊『ビジネスを加速させるランディングページ最強の3パターン制作・運用の教科書』つた書房、2020年、pp.38-45を元に作成

以上が、ユーザーの行動(CV)に繋がりやすいLPの流れになります。

LPを読み進めてもらうためのポイント

ここからは、LPを読み進めてもらうための具体的なポイントについてご紹介します。

喚起パートはキャッチコピーで心を掴む

Webサイトを訪れたユーザーは、3秒以内に自分に必要なサイトかどうかを判断すると言われています。そのため、喚起パートと呼ばれる最初の導入部で心をつかむ「キャッチコピー」が必要です。

キャッチコピーにはベネフィット型とUSP(Unique Selling Proposition)型があります。

ベネフィット型商品を使ったユーザーが「どう変化するか」を軸に置く
USP型独自の強みやウリを軸に置く

内容については、既存顧客や業界外の人へのヒアリングを反映させることが有効です。

結論から先に言う

ページ訪問時にユーザーの関心を惹くことができれば、ユーザーは最初のスクロールを始めます。この入り口部分に「結果パート」を置き、得られる結果とベネフィットを伝えます。

・結果:商品を使うとどうなるか
・ベネフィット:商品を使って自分にどう影響があるか、自分がどう変化するか

結果とベネフィットには違いがあるので、結果の奥にあるベネフィットを「要するに…」と要約することで、商品の利用後を想像させ、現実的にどういう結果がそのベネフィットをもたらすのかも伝えていきます。

上記2点は顧客のことを考え顧客の望みや悩みを書き出して行く中で生まれてくるものです。顧客は何が好きで、どうなりたいと思っているのか。何に悩んでいるのか、どうしたら喜んでもらえるのか。LPを作成するための最重要項目は「とにかく顧客のことを考える」ことです。

CV直前の施策

その他にもユーザーが最後にアクションを起こす際に配慮するポイントとして購入ボタンやメールフォームの最適化などが挙げられます。

最後のカートの段階で「フォーム入力が面倒」「クレジットカードが使えない」などの理由で「また今度にしよう」「他も見てみよう」とサイトから離脱されてしまっては、これまでの施策が水の泡となってしまいます。

フォーム部分の改善はCVR(コンバージョンレート、転換率)の向上に直接的に繋がる部分なので特に力を入れましょう。

購入ボタンの配置

上中下の3か所に設置するか、フローティングボタンで常に追尾するように配置します。

購入ボタンは、キャッチコピー周辺の一番上のボタンが最もクリックされる傾向にありますが、一番下も最後まで読んだ人が押すので必要です。またこのページは何をするためのページなのか(購入、資料請求、無料体験など)をユーザーに再認識させるために入れておく必要があるので、LPの中間部分にも設置します。

フローティングボタンについては、常に右上に設置するのが有効です。設置した場合はボタンが押されているかを検証し、押されない場合廃止する等の措置が必要です。

ただし、資料請求や無料請求などと異なり購入を促すボタンは、今すぐに購入するわけではないユーザーのサイトからの離脱を促す可能性があるので注意しましょう。

メールフォームの最適化

メールフォーム(入力フォーム)の最適化も、フォーム部分の要因により離脱されないように細部にこだわる必要があります。

良いメールフォームには次のような特徴があります。

・メールフォームの上にメッセージが設置されている
・メールフォームのページには他ページへ遷移するリンクが貼られていない
・入力項目が極限まで少ない
・平仮名や漢字、大文字小文字、ハイフンの有無の指定がない
・入力例がある
・入力ボックスの角が丸い
・入力ボックスが大きい(文字も)
・送信ボタンが大きい
・個人情報保護がついている
・入力ミスした項目を教えてくれる
・「入力中」「確認中」「完了」など今自分がどの段階にいるかを表示している
・入力項目に応じて最適なキーボードが表示される(例:スマホの電話番号など)

このようにユーザーの購入に至るアクションをスムーズにサポートする仕組みづくりが非常に大切です。

参照:相原祐樹『現役LPO会社社長から学ぶコンバージョンを獲るランディングページ』ソーテックス社、2018年、pp. 66, 117, 119

LP運用を見据えた構成のポイント

LP運用を見据えた構成のポイント

ここまでは、フォームが組みこまれた販売用LPの構成の特徴やポイントについて解説してきました。最後に、広告と組み合わせ実際にLPを運用していく際に気を付けたいポイントについて解説します。

エモーションリレーを繋ぐ

LPは単体で運用されるのではなく、「広告→販売用LP」、あるいは「広告→商品に関する記事や無料診断アンケート→購入用LP」といったように、複数のメディア(媒体)の組み合わせによって運用されます。

したがって、メディアをまたいでもメッセージが一貫するよう構成しなければなりません。

北の達人コーポレーションでは、ユーザーが広告をクリックしてLPを読み購入に至るまでの流れを「エモーションリレー(感情のリレー)」と呼んでいます。

例えば、広告コピーで「◯◯の悩みが解消した理由とは?」と書かれていたのに遷移先のLPではその理由が一切書かれていないといった場合は、「エモーションリレーが途切れている」状態です。

エモーションリレーを繋ぐために、各広告とLPは構成されなければならないのです。

参照:木下勝寿『ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング』実業之日本社、2022年、pp. 119-122

まとめ

本記事では、売上アップに繋がるLP構成や読み進めてもらうためのポイントについて紹介しました。LPの構成において重要なのは、ユーザーの気持ちに寄り添う内容・論理の展開にすることです。

人は気持ちが動かなければ実際に行動を起こしません。顧客の気持ちに寄り添うメッセージや表現が商品やブランドへの信用を築き、購入意欲を高めるのです。

ブランドのファンとの中長期的な関係を築くためにも、商品やサービスは押し売りするのではなく、顧客に関心のある情報を提供し購入の心理的なハードルを下げられるようなLPを作成して売上向上を目指しましょう。

引用・参考図書
相原祐樹『現役LPO会社社長から学ぶコンバージョンを獲るランディングページ』ソーテックス社、2018年
木下勝寿『ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング』実業之日本社、2022年
中尾豊『ビジネスを加速させるランディングページ最強の3パターン制作・運用の教科書』つた書房、2020年

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