D2Cとは?ビジネスモデルとそのメリット、成功事例を解説!

D2Cとは?ビジネスモデルとそのメリット、成功事例を解説!

今、D2C(DtoC)と呼ばれるビジネスモデルが注目を集めています。どうして今D2Cがこれほど注目されているのか、成功しているD2Cブランドの特徴とは何なのかについて気になっている方も多いのではないでしょうか。

本記事ではD2Cの定義や特徴、メリットとデメリット、国内の成功事例や自社でD2Cビジネスを立ち上げるポイントなど幅広く紹介します。

また、D2Cではサブスクリプション(定額購入)サービスを提供することが多いのですが、そのD2C×サブスクリプションサービスを実現するカートシステムについても解説します。

D2C(Direct to Consumer)とは?

ここではD2C(Direct to Consumer)の定義と、どうして今D2Cが注目されているのかという背景について見ていきましょう。

D2C(Direct to Consumer)とは?

そもそもD2C(Direct to Consumer)とは?

D2C(DtoC)は「Direct to Consumer」の略で、「仲介業者なしに商品の製造から販売までを自社で行う」というビジネスモデルです。

D2Cは「仲介業者なしに商品の製造から販売までを自社で行う」ビジネスなので、例えばSPA(製造小売業)のユニクロやGAPのビジネスモデルもD2Cです。そのため、D2Cというビジネスモデル自体が新しいわけではありません。

いまD2Cが注目されている理由

それではなぜ今、D2Cが脚光を浴びているのでしょうか。

それは、自社ECサイトを開設し顧客に直接自社商品を販売することが可能になったから、また顧客の行動データをもとに商品開発や集客が可能になったからです。

現在では無料や数千円からネットショップを開設できますし、顧客の購買データの分析を通してどの集客チャネルが有効か知り、集客施策に活かすことができます。

現在注目されるD2Cブランドの特徴
デジタルやデータを活用して効率的かつ合理的にビジネスを推進する
SNSなどを活用してユーザーとのコミュニケーションを積極的に行う
ユーザーに独自の世界観やライフスタイルを提示する

D2CとB2Cの違い

ここで、類似した用語であるB2C(BtoC)とD2Cの違いを見てみましょう。

B2C(Business to Consumer)の場合、商品は「製造者(メーカー)→販売者(マーチャント)→ユーザー(コンシューマー)」という流れでの販売が一般的です。B2Cでは「作り手」と「売り手」が別の事業者なのです。

それに対しD2Cは、製造者と販売者が同じ事業者です。そのため卸を介さずにネットショップや直営の実店舗を通じて、ユーザーへ商品を販売することになります。

D2Cに向く商材と向かない商材

D2Cのビジネスモデルには、特に衣料品や美容品、健康食品といった商材が向いています。

衣料品や化粧品は、製造から販売までの一連の流れが長いため、自社で一貫して行うことによる経済的メリットが大きくなります。

逆にD2Cに向かないのは、鮮度が重要な生鮮食品や、大量生産され安価に販売されるような日用品です。これらの商材は流通や在庫管理という点で商品の製造と販売を自社のみで完結させるメリットが小さいため、D2Cには向いていません。

D2Cのメリットとデメリット

製造から販売までを一貫して行うD2Cのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

D2Cのメリット

収益性が高い

D2Cは、仲介業者を介さずにユーザーに直接商品を販売するため、収益性が高いです。仲介業者を挟まないことで中間マージンがかからず、必要としていたコストが削減されるとともに商品価格も抑えることができます。

一方Amazonや楽天市場のような総合モールで商品を販売すると、モールに手数料を払う必要があります。

※関連記事:D2Cの利益率が高い理由とは?高利益率を実現するためのポイントも紹介!

自社の戦略によって売り方を変えられる

D2Cでは、自社の戦略によって売り方を変えることができます。

例えば販売戦略によって、自社ECサイトなどのネットショップのみで商品を販売するのか、ネットショップだけでなくリアル店舗(実店舗)も展開するのかを選ぶことができます。

ECのみの運営であれば費用は少なくすみます。他方、実店舗で商品を「体験」してもらうことを通して、購入率やLTV(顧客生涯価値)の向上を狙うという販売戦略も有効です。

顧客データを収集し、マーケティング施策に活用できる

自社で商品を販売すれば、購入に至るまでのユーザーの行動データ・購買データの収集が可能になります。それらの情報をもとに商品を企画したり、サイトのデザインを改善したりすることで売上の向上を図ることができます。

対して総合モールで商品を販売する場合、モールの方針や仕様によってマーケティング施策やキャンペーンの設定が限定されることになります。

D2Cのデメリット

顧客の獲得、維持にコストがかかる

どんなに素晴らしい商品であっても、サイトに訪問されなければ商品が購入されることはありません。

ブランドの知名度がない状態では、サイトへの流入は微々たるものでしょう。広告費をかけ集客しても、広告にコストを割くため利益率が低くなります。

「その商品ならでは」の魅力が必要ないと売れない

「そのブランドならでは」「その商品ならでは」というブランドの世界観をユーザーに充分に示せなければ、D2Cビジネスで成功を収めることはできません。有名企業の類似した商材やより安価な商材と比較されてしまうからです。

D2Cの事業者を支えるのは、「そのブランドだから買う」というファン、リピーターです。もしリピートされないと「広告費をかけ新規顧客を獲得する→リピートされない→広告費をかけ新規顧客を獲得する」という負のループに陥り、利益が積み上がっていきません。

ビジネスが軌道にのるまでに時間がかかる

これまで見たように、D2Cビジネスは新規顧客獲得のハードルが高いです。特に自社ECサイト(ネットショップ)をオープンしたばかりのころはなおさらです。

そのため、知名度とリピートが増え売上が安定するまでは苦しい時間が続くかもしれません。

D2Cのブランディングとマーケティング

D2Cビジネスの成功は、「商品の売買以上の関係をユーザーと築けるか」にかかっています。

ユーザーとの関係性を築き続けるためにはブランディングに力を入れると同時にマーケティング施策にもその要素を組み入れていく必要があります。

「世界観」を創り上げる、D2Cのブランディングとマーケティング

D2Cの広告手法

UGC(User Generated Contents)の活用

UGC(User Generated Contents)とは、企業ではなく一般のユーザーによって制作・生成されたコンテンツのことです。具体的には、Webサービスに投稿された写真や動画、SNSの投稿などを指します。

自社のサービスについてのUGCは、マーケティングにおいて重要です。それには以下のような理由があります。

UGC(User Generated Contents)の特徴
UGCは、会社外の人の素直な感想なので、他者から「客観的な」感想だと受け取られやすい
あるユーザーのUGC自体がSNSなどで拡散される可能性がある

ライブコマース

ライブコマースとは、ライブ配信で商品やサービスを紹介し、視聴者からの質問があればそれに随時答えていくという新しいオンラインでの販売手法です。

双方向のコミュニケーションをリアルタイムで行うことで、その場でユーザーの疑問を解決できます。テキストだけでは伝わりづらい世界観なども合わせて配信できるため、D2Cとの相性が良いとされています。

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングとは、SNSなどでフォロワー数を多く保有しているインフルエンサーに商品を紹介してもらうことによって商品の認知獲得・購入を促すマーケティング施策です。

インフルエンサーマーケティングにおいて重要なのは、インフルエンサーが普段配信しているコンテンツと、製品が有する魅力や特徴などがマッチしていることです。ブランドと起用されたインフルエンサーがマッチすれば、売上の向上だけではなく、ブランド自体の地位向上も期待することができます。

例えば化粧品などの特定の分野で専門的な内容を配信しているインフルエンサーに化粧品・コスメを詳細に紹介してもらうことで、ユーザーの態度変容を促すことができるでしょう。

※D2Cのマーケティング施策についてさらに詳しく知りたい方はこちら:D2Cにおける効果的なマーケティング戦略・施策とは?

日本国内のD2C成功事例

ここではD2Cの成功事例を日本企業の中から3社紹介します。

 D2C × 美容:COLORIS(カラリス)

株式会社ストークメディエーションが運営するCOLORIS(カラリス)は、セルフヘアカラーセットを、顧客一人ひとりに合わせて提供しています。

カラリスは、美容室やドラッグストアの代替品の提供を目指すのではなく、ゆとりある生活を支えるライフスタイルブランドとしての世界観をもとに商品を開発し提供しています。

こだわりの商品をユーザーに正しく利用して頂くために、コミュニケーション設計には特に注力しており、同梱物、LINEやSNSを利用して正しく・長く利用していただくための取り組みをしています。

※カラリスのマーケティング戦略について知りたい方はこちら:人気D2CブランドCOLORISに聞く!D2Cのマーケティング戦略 

※化粧品・コスメD2Cの事例について知りたい方はこちら:【国内】化粧品・コスメD2Cブランド6選!人気の秘密と成功のポイントとは?

D2C×食品:VALX(バルクス)

VALXは株式会社レバレッジが運営するネットショップであり、主にプロテインを提供しています。

業界内の著名人が監修につきながらプロダクト開発を進めました。OEMメーカーへは20社以上へ打診し、成分だけではなく味にもこだわりを持っています。

YouTubeなどを活用し、プロテインについての解説だけではなく正しい筋トレ方法を伝えることでブランド自体のファンを増やしています。バルクスには、正しいトレーニング知識・方法を広めていきたいという想いがあり、それを実現させているのです。

参考:【公式】VALX(バルクス)山本義徳監修プロテイン・サプリメントのオンライン通販ストア 

※食品D2Cの事例について知りたい方はこちら:人気食品D2Cブランド7選!食品D2C成功のポイントとは?

※健康食品・サプリメントD2Cの事例について知りたい方はこちら:【成功事例】サプリメントD2Cで成功した注目ブランド7選!

 D2C×電子タバコ:DR. VAPE(ドクターベイプ)

DR. VAPEは株式会社ロックビルが運営する、タール0・ニコチン0・嫌な臭い0の3つを実現する電子タバコです。自社ECサイトなどWebでの販売を中心に行っていましたが、現在は一部のコンビニでも販売しています。

DR. VAPEは「香りを吸う」という新しい習慣を提案しています。サブスクリプション(定期購入)のコースであれば次回お届け分のフレーバーやお届け本数の変更などができるため、ユーザーは飽きることなくサービスを利用し続けることができます。

参考:DR.VAPE(ドクターベイプ)公式サイト  

※D2Cブランドの成功事例とその概要について知りたい方はこちら:D2Cブランドの成功事例と立ち上げ時のポイントを紹介

D2Cを実現するためのカートシステム

最後に、D2Cを行うために必要となるECカートシステムについて解説します。

D2Cビジネスを行うために自社ECサイトを開設する

Amazonや楽天のような総合モールで商品を販売するとなると、競合他社との熾烈な価格競争に巻き込まれてしまいますし、マーケティング施策もモールに大きく依存することになってしまいます。

上記のような理由により、D2Cを始めたい(自社でネットショップを運営して商品を販売したい)という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

自社でネットショップ(ECサイト)するのに必要となるのが、カートシステムです。

D2Cを実現するために必要なカートシステムとは?

カートシステムとは、ネットショップ(ECサイト)で買い物ができるようにするためのシステムで、リアル店舗の買い物カゴとレジのような役割を果たします。

カートシステムは、買い物カゴ以外の機能もあります。受注管理、商品管理、出荷管理、顧客管理などの機能や決済機能の連携などの機能です。

カートシステムが中心となって購入から発送、その後の顧客対応が行われるため、D2Cをやるならカートシステムの選定が重要となります。

カートシステムを選ぶためのポイント

カートシステムには、機能には制限があるが無料や格安で利用できるものから、デフォルトで様々な機能が備わっているもの、自社の戦略に合わせてカスタマイズが可能なものなど、いくつかの種類があります。

それでは、どのようにカートシステムは選ぶべきなのでしょうか。D2Cでネットショップを新規で立ち上げるのであれば、以下の点を考慮してみましょう。

①ビジネスモデルに合ったシステムを選ぶ

リピート率を上げるのに強いカート、商品登録・売切れ対応などの受発注機能に強いカートなどがあります。

②事業計画に合わせて選択する

初めてネットショップを立ち上げる際、1年以内に月間売上目標1,000万円を超えない目標なのであれば、まずは無料や月額10万円以内のASPカートシステムを検討するのがよいでしょう。

ASP型のカートシステムには、ネットショップ運営に必要な標準的な機能が備わっています。

立ち上げのタイミングから年間数億の売上が見込めるような大規模な事業なのであれば、ASPカートの上位プランや、後にカスタマイズ可能なカートを選ぶとよいでしょう。

※D2CのプラットフォームとなるECカートシステムについてさらに詳しく知りたい方はこちら:D2Cを支えるプラットフォームとは?その種類と特徴を解説

※カートシステムの選び方について詳しく知りたい方はこちら:【ネットショップに必須】カートシステムとは?カートシステムの概要とカート選定のポイントをご紹介!

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