ネットショップの新規顧客獲得でECの売上アップ!施策のポイントを紹介

ネットショップの新規顧客獲得でECの売上アップ!施策のポイントを紹介

リアル店舗と同様にネットショップでも、現状の売上を維持するため、さらには売上を向上させるために新規顧客を日々獲得していかなけばなりません。

それでは、ネットショップで新規獲得をするための「王道」とは何でしょうか?

本記事では、「ネットショップの売上 = 流入数 × 購入率 × 平均顧客単価」という「ネットショップの売上の公式」をもとに、新規顧客の集客と初回コンバージョン(購入やLINE登録など)のポイントを解説していきます。

新規顧客が自社サイトに入ってきて商品を買うまでの流れをイメージしながら読み進めましょう。

新規顧客獲得の重要性

新規顧客獲得の重要性

ネットショップの運営で、新規顧客と既存顧客の理想的な割合は3:7程度で、既存顧客だけではトップラインが上がらないと言われています。

新規顧客が常に一定数なければ、既存顧客は増えません。そのため、どんな状況でも新規顧客獲得は重要になります。

ネットショップ売上増加施策を立てるためには、大きく3つの要素に注目する必要があります。

ネットショップで売上を上げるために意識すべき「公式」

①何人サイトに訪問したのか
②訪問した人のうち何%の人が購入したのか
③購入者一人あたりの単価がいくらか
この3つです。

というのも、どの要素が問題かでやるべき施策が変わってくるからです。これを公式に表すとわかりやすくなります。

売上 = 流入数 × 購入率 × 平均顧客単価

この「公式」のうち、自分たちはどこを改善すべきなのか、より力を入れていくべきなのかを把握することが、有効な施策を打つポイントになります。

新規顧客と既存顧客の区別

まず、公式の中で「流入数」を分解しましょう。

流入は、新規顧客(初めてそのショップで商品を買う顧客)と既存顧客(既にそのショップで購入したことがある顧客)の流入に分けられます。


新規顧客と既存顧客で共通した施策もあるのですが、新規顧客と既存顧客ではアプローチの仕方が異なることが多いです。施策を打つ際、その施策が新規顧客(初めてそのショップで商品を買う顧客)に向けたものなのか、それとも既存顧客(既にそのショップで購入したことがある顧客)に向けたものなのかを考える必要があります。


例えば、新規顧客を獲得するためには商品やサービスを認知してもらうことから始めなくてはならないのに対し、既存顧客の場合は、既に登録してもらったメールアドレスやSNSアカウントからメッセージを届けられるといった違いがあります。 ここでは特に新規顧客獲得のための施策を紹介します。

ネットショップへの流入数を増やす(集客編)

ネットショップへの流入数を増やす(集客編)

流入数は多いに越したことはありません。まず自社サイトに入ってきてもらわなければ、顧客との関係を築きようがないからです。


集客編では、流入数増加施策と、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。

SEO対策で流入数を増やす

SEOとは?

SEOは「Search Engine Optimization」の略で、「検索エンジン最適化」と訳されます。シンプルに説明するなら、SEOとは「ユーザーがウェブ検索したときに上位に表示されるための一連の施策のこと」です。

SEOの施策の分類

SEOで主に行われる施策は、以下の4つになります。

① 顧客やユーザーが求める情報を含む良質なコンテンツの作成
② 検索されるキーワードの選択
③ Googleが評価しやすくなるような技術的最適化(内部施策)
④ 良質な被リンクの獲得(外部施策)

ここでお伝えしたいのは、SEO対策で何よりも重要なのが①の「良質なコンテンツの作成」だということです。なぜなら、GoogleはWebサイトについて下記のように明言しているからです。

ユーザーの便宜のために構築するべきであり、すべての最適化はユーザーエクスペリエンスの向上のために調整する必要があります。(Google、2021年)

引用:SEO スターター ガイド: 基本 | Google 検索セントラル

実際に、「良質なコンテンツ」が上位に表示されるように日々アルゴリズム(順位を決める計算方法のプログラム)が改善されています。

SEOのメリットとデメリット

ネットショップの集客でSEO対策をするメリットは、無料でも行える対策なのにもかかわらず、無事上位表示されれば膨大なアクセス数を期待できるということです。

ただしSEO対策にも弱みがあります。それは、必ずしも効果が現れるとは限らないということ、そして効果が現れるまでの時間がかかる傾向があるということです。

SEO対策をしてから数日で効果が現れることもあれば、1年経ってようやく効果が現れ上位表示されることもあります。

したがって、SEO対策は即効性の強い他の集客(Web広告など)と組み合わせて行っていのがよいでしょう。

Web広告で流入を増やす

Web広告を出稿することは、ネットショップへの流入数を増やすために有効な手法です。ただし広告を出すためにはある程度のお金がかかります。

また、流入数が増えてもその分広告費がかかりすぎていたら、利益率は低下してしまいます。ですので自分たちの目的に合わせ、戦略的に広告を運用する必要があります。

Web広告の利点

Web広告の強みは、主に3つあります。

①即時性がある(集客したいときに出稿できる。止めたいときもスグ止められる)
②ターゲットを絞れる(狙った顧客に絞って配信可能)
③効果検証ができる(広告に対しての反応が見られる)

狙った顧客にすぐにアプローチでき、かつ効果が測れることこそが、Web広告の強みです。

代表的なWeb広告

一口にWeb広告と言っても、その配信手法は多様です。検索連動型広告、ディスプレイ広告、動画広告、ショッピング広告、SNS広告、アフィリエイト広告などたくさんあります。

ここではでは代表的なWeb広告であるリスティング広告とディスプレイ広告、そして動画広告の3つを紹介します。

実はそれら3つの広告への出稿料が、Web広告の費用の9割も占めてます(電通、2021年)。

参考:「2020年インターネット広告媒体費」解説。4マス媒体とほぼ並んだ「2.2兆円超」の内訳は?

検索連動型広告

検索連動型広告は、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの検索結果に表示される広告です。リスティング広告とも呼ばれており、「今、これが知りたい、欲しい!」と検索をしている瞬間に接触できる広告で、比較的意欲的なユーザーにも配信できるという強みがあります。

検索連動型広告は、「検索キーワード」のユーザーニーズに合致した「見出し文」と「説明文」が魅力的かどうかで大きく反応が変わってきます。「天然素材」「敏感肌の方でも安心」という語でアピールしたい化粧品を販売する場合を考えてみましょう。


例えば、「天然成分100%の化粧水で乾燥肌から潤いのある肌へ」といったフレーズを見出し文に、「〇〇化粧水は、乾燥肌・敏感肌に悩んでいる方に向けた植物由来のオーガニック化粧水です。保湿成分△△で、あなたの肌に潤いを与えます。」といったフレーズを説明文にします。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、Webサイト上に掲載されている画像広告、動画広告、テキスト広告のことです。

配信先は、広告掲載されるサイトのジャンル(ファッション、食品など)やユーザー(性別、年齢、想定年収、サイト訪問歴からわかる現在の興味関心事)をターゲティングして配信可能です。


ディスプレイ広告の中でも特に効果的なのが、一度サイトに訪問したことのあるユーザーに配信するリマーケティング広告(リターゲティング広告)です。

例えば直近3日以内に訪れたユーザーには接触頻度を高めたり、1か月前に訪れたユーザーには「今ならキャンペーンで30%オフ!」と言った訴求とキャンペーンを訴求するなど、訪問時期に合わせた広告配信とキャンペーン内容を設計することが考えられます。

動画広告

近年急拡大しているのが、動画広告です。動画広告には、画像広告よりも情報量が多いという強みがあります。また広告を見た後の態度変容(商品の認知や購入)も起こりやすいです。

動画広告コンテンツを制作するための工数が大きくなるデメリットはありますが、以前よりも広告制作のツールやサービスが発展してきたので制作工数やコストも下がってきています。

また、可処分時間がテレビなどのマスメディアからweb閲覧時間が増えていることもあり、今後ますます拡大する広告と言えます。
見込み客にアプローチが可能なため、有効な広告種の一つとして検討するのがよいでしょう。

情報を発信して流入数を増やす

商品の特徴や自社の取り組みなど情報を発信することで、新規顧客の流入を促します。メジャーな手段言えば、SNSの活用、ブログの執筆、メール配信があります。情報を発信することによって、その内容に関心のあるユーザーを集めることができます。

SNSは、キャンペーンの周知のような「情報発信」と、「ユーザーとのダイレクトなコミュニケーション」に使えます。

ブログの執筆は、本記事のような「ノウハウブログ」や、生産者・サービス利用者をインタビューした記事を執筆するということです。購入したい商品があるとき以外でもアクセスしたいと思わせるようなサイトづくりを目指します。

どこかで既にメールアドレスを取得したユーザーに向けては、メールでメッセージを配信することによって流入を狙います。最近ではLINEを使って同じような手法が取られていますね。

新規顧客を購入に導く(コンバージョン編)

新規顧客を購入に導く(コンバージョン編)

何のための集客か?

流入数を増やすだけでは、「ネットショップ事業者」にとってはあまり意味がありません。というのも、売上に結びついていないからです。サイトに訪問してきた顧客に、最終的に自社の商品を買ってもらう施策を立てることが重要です。

売上と流入数の関係においては、「コンバージョン(conversion:略してCV)」、「コンバージョンレート(Conversion Rate:略してCVR)」という語がカギになってきます。

「コンバージョン」とは、Webサイトでの成果のことです。例えば、「商品の購入」「資料の請求」「メールアドレスの登録」「認知度の向上」などです。コンバージョンを何と設定するかで、やるべき施策は変わってきます。本記事では「コンバージョン」を「新規顧客が商品を購入すること」と捉えています。

流入した人がコンバージョンに至った割合のことを「コンバージョンレート」と呼びます。コンバージョンレートの引き上げこそ、ネットショップ担当者の腕の見せ所です。

CVRを上げるには、以下の2つが効果的です。
①サイトページからの離脱率を下げること
②購入の「後押し」をすること

ページの離脱率を減らす

サイトに流入した顧客には、できるだけ商品を購入してもらったり、いくつかのページを閲覧していっていただきたいものです。そのために、「ページの離脱率を減らす施策」を実行しましょう。

特に効果の高い施策は、「購入完了に近い箇所から見直す」というものです。というのも、購入直前でページを離脱してしまったということは、「ほぼ買う気分」だったのにどこかで「買わなくてよい」と判断されてしまったことを意味するからです。

離脱率低下のための施策は、入力フォームを簡易化すること、支払い手段を充実させること、よくある質問に対しての答えを予め公開しておくことなどが挙げられます。

入力フォームを改善する

ネットショップの購入時、フォームに名前や住所を記入する手間し離脱率を減らすような施策を「エントリーフォーム最適化(Entry Form Optimization: 略してEFO)」と呼びます。

例えば、入力項目を減らしたり、フォームのデザインを改善したりすることです。

支払い手段を充実させる

多様な決済手段に対応することで、「この決済手段使えないのか…」と顧客にがっかりされないようにしましょう。

最近ではAmazon Payのように、アカウント連携さえすれば、ユーザーがフォームをほとんど記入しなくとも購入完了までいけるというスムーズな仕組みができています。ネットショップの決済手段の多様化の必要性や決済手段導入の検討方法に関しては、下記の記事を参照下さい。

※決済について詳しく知りた方はこちら:
ネットショップでオンライン決済サービスを導入するメリット・デメリット

よくある質問に先に答えておく

Q&AやFAQ(Frequently Asked Questions)などをサイトに設け、「よくある質問」に答えておきましょう。またその際、チャットボット(人工知能による自動会話プログラム)を活用するのも手です。

よくある質問に答えておくことは、ネットショップで新規顧客獲得のために重要です。なぜなら、ネットショップでは、商品を実際に見て確かめることや疑問を販売員に直接尋ねることができないために、新規顧客が商品を購入するための心理的ハードルが上がっているからです。

つまり新規顧客は、まだ商品を使用したことがないので不安や疑問を抱いていることが多いということです。そのため、よくある質問への回答を用意することで、購入のハードルを下げることができます。

新規顧客に商品を買ってもらいやすくする工夫

先ほど述べた通り、既存顧客に比べて新規顧客は商品を購入するための心理的ハードルが高くなっています。そのハードルを下げるための具体的な施策もあります。

例えば、
・初回購入割引をする
・無料やお手頃価格のお試しセットを用意する
・初回購入に限っては利用後でも返品可能、かつ返金する

などといった施策が考えられます。これらは売上を下げてしまう可能性もありますが、それでも購入率がアップすることで、売上が上がる見込みが高い施策だと言えます。

平均顧客単価アップのための2つの施策

最後に、平均顧客単価アップのためにネットショップで有効な「アップセル」と「クロスセル」という手法を簡単に紹介します。これらの施策によって、平均顧客単価ないし顧客生涯価値(Life Time Value:略してLTV)を底上げすることができるのです。

アップセルは、現在購入検討している商品や以前購入したことのある商品よりも高い値段の商品を顧客に提案することを言います。「1か月のプランよりも半年プランのほうがお得です!」みたいな提案です。

クロスセルは、購入を検討している商品と合わせて別の商品も提案することを言います。「こちらの商品もいかかがですか?」というような提案です。

アップセルとクロスセルは、比較的簡単に実行できるのに効果的な施策なのでオススメします。(サブスクストアを使うと簡単に設定できます!)

また購入してもらう(リピート編)

また購入してもらう(リピート編)

新規顧客に商品を購入してもらえたら、次は再び購入してもらえるようにアプローチしていきましょう。

ネットショップの売上アップのためには、優良なリピート顧客の存在が不可欠です。

というのも、「新規顧客を獲得してもすぐ離脱、また新規顧客を獲得してもすぐ離脱…」という流れならば、売上が安定しないからです。加えて、近年広告費が高騰し新規顧客を獲得するための費用(CPA:Cost Per Acquisition)が高まっています。

したがって、中長期的に売上を増加させるために既存顧客にリピート購入してもらうことを目指す必要があるのです。

具体的なリピート施策は、同梱物を工夫すること、購入回数別にメッセージを変えたメールを配信すること、公式SNSに登録してもらいコミュニケーションをとることなどが挙げられます。

リピートに関する施策については、また別の記事で詳しく解説いたします。

まとめ

ネットショップで施策を打つ時には、「売上の公式」を意識する

本記事では、ネットショップ(ECサイト)で新規顧客を獲得して売上を上げる施策を網羅的に紹介しました。

ネットショップの売上とは、「流入数 × 購入率 × 平均顧客単価」という「公式」で表せます。

流入数増加施策については、中長期的にはSEO対策を、すぐ効果を出したい場合はWeb広告が有効です。

顧客にサイトに訪問してもらったら、最終的にはその顧客に目標の行動(購入や資料請求)をとってもらえるように誘導しましょう! その際、ページ離脱や疑問や不満の点の解消につながるような施策がポイントです。

施策は「顧客とよい関係を構築する」ために行うもの

本記事で紹介した一連の施策はすべて、「顧客と良好な関係を構築する」ためのものです。顧客にサービスに抱く疑問や不安を解消してもらうこと、そして自社の商品やサービスを気に入ってもらうことが、結局は売上の増加に結びつくと言えます。

したがって、「徹底したユーザー目線をもとにした施策の実行」こそ、ネットショップの担当者(EC担当者)がなすべきことなのです。

ネットショップ運営ではカート選びが重要

新規顧客獲得のための施策で、「購入率」に関わる施策実施はカートシステムの機能で対応できることが多いです。
カートシステムの選定は非常に重要であることを知っておきましょう!

※カートシステムについて詳しく知りた方はこちら:ネットショップには必須のカートシステムとは?

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