D2C×サブスクリプションの日本国内事例7選!

D2C×サブスクリプションの日本国内事例7選!

商品の製造から販売までを自社で一貫して行う「D2C(Direct to Consumer)」というビジネスモデルが注目を集めています。

そんなD2Cブランドの多くは、ユーザーに継続的にサービスを提供する「サブスクリプション(サブスク)」型で提供されています。

本記事では、D2Cとサブスクで成功している国内の事例を7つ紹介します。なぜD2Cはサブスクと相性がいいのか、それらの成功事例に共通している特徴とは何かについても解説します。

※サブスク/D2C/定期通販に特化したクラウドシステム「サブスクストア」のサービス紹介資料はこちら 

D2Cとサブスクの定義、D2Cに向いている商材とは

最初に、D2C・サブスクの定義とD2Cに向いている商材について解説します!

D2Cとサブスクの定義、D2Cに向いている商材とは

D2C(DtoC)とは?

D2C(DtoC)とは、仲介業者なしに商品の製造から販売までを自社で行うというビジネスモデルです。

D2Cには、以下のような特徴があります。

・デジタルやデータを活用して効率的かつ合理的にビジネスを推進できる
・SNSなどを活用して、ユーザーとのコミュニケーションを積極的に行える
・ユーザーにブランド独自の世界観やライフスタイルを提示する

※D2Cについて詳しく知りたい方はこちら:D2Cとは?ビジネスモデルとそのメリット、成功事例を解説!

サブスクリプション(サブスク)とは?

サブスクリプションサービス(サブスク)とは、ユーザーが一定の料金を支払うことで、特定の期間サービスが利用可能になるサービスのことです。

動画配信サービスであるNetflix(ネットフリックス)や音楽のApple Music(アップルミュージック)などデジタルコンテンツのサブスクが有名ですが、有形商材のサブスクも存在します。例えばトヨタが提供する車のサブスクKINTO(キント)や、家具のサブスクであるsubsclife(サブスクライフ)などです。

また、今まで「定期通販」や「単品リピート通販」と呼ばれてきたものも一定の金額で商品を提供し続けるという点でサブスクと類似しているでしょう。

※サブスクについて詳しく知りたい方はこちら:サブスクとは?メリットやデメリット、人気サブスクサービスもご紹介

D2Cのサブスクに向いている商材は?

一般的に、D2Cのサブスクに向いている商材は化粧品や健康食品といった消費財だと言われます。というのも、それら消費財には以下のような特徴があるからです。

・美容や健康についての悩みはユーザーごとに異なり、合う/合わない、好き/嫌いがはっきりしている
・商品やサービスに対するニーズもユーザーごとに変わりターゲットが絞られる
・気に入ってもらえれば、商品やサービスを継続して利用してもらいやすい

このように、広く浅くではなく特定の悩みを持つユーザーに向けて狭く深い商品開発と販促活動をすることが、D2C×サブスクのポイントです。

日本国内のD2C×サブスク成功事例7選

ここでは、美容系、食品系だけでなく、近年ユーザーが増えているDR.VAPE(ドクターベイプ)の例など、日本国内のD2C成功事例を7つ紹介します!

美容系商材のD2C成功事例

COLORIS(カラリス)

株式会社ストークメディエーションが運営するCOLORIS(カラリス)は、セルフヘアカラーセットを顧客一人ひとりに合わせて提供しています。

3分ほどの美容師監修Webカウンセリングに答えると、1万通り以上の組み合わせの中からそのユーザーに最適な処方が提案されます。

ターゲットは、「美容室に行きたいけれど仕事や育児が忙しく時間が合わない」、「そもそも美容室に通うことが苦手」、「近くに良い美容室が見つからない」といったユーザーです。

またカラリスはLINEやInstagramといったSNSを積極的に活用しています。その一環として、ユーザーに商品の使用例を発信しています。
商品を正しく使用することで、ユーザーは商品の効果を実感しやすくなるでしょう。それが結果的に、LTV(顧客生涯価値)の向上に繋がります。

参考:サービス | COLORIS (カラリス)
人気D2CブランドCOLORISに聞く!D2Cのマーケティング戦略

BULK HOMME(バルクオム)

株式会社バルクオムが運営するBULK HOMME(バルクオム)は、メンズ向けのスキンケア商品を提供しています。バルクオムは、メンズスキンケアのベーシックな存在となることを目指しています。

スキンケアは習慣的に行われるものです。単品・単発購入もできますが、継続的に利用するニーズにあわせてサブスクリプション(定期購入)コースもあります。
フェイスケアコース、ヘアケアコース、ボディケアコースといった利用部位ごとに提供されています。

バルクオムのサービスが広まることは、「男性もスキンケアが重要だ」という価値観が広まることをも意味します。バルクオムは、日本のメンズコスメ市場を拡大させ続けているのです。

参考:ABOUT US|BULK HOMME(バルクオム)

食品系商材のD2C成功事例

VALX(バルクス)

株式会社レバレッジが運営するVALX(バルクス)は、プロテインやサプリなどに特化したマッスル系D2Cブランドです。

ボディビル界のレジェンドでありYouTube登録者数60万人を超す(2022年8月現在)山本義徳氏が、バルクスの商品を監修しボディメイクに関する情報の発信も行っています。

「本物の商品を、本物の情報とともにお客様に届ける」というVALXの想いを体現するかのように、山本義徳さんは商品をただ宣伝するだけでなく、YouTubeで筋トレやダイエットの仕方といったコンテンツを継続的に発信しています。

YouTube経由で契約したユーザーは解約率が約8%と非常に低く、また一般的に広告比率が30%が目安と言われる通販業界において広告比率を10%以下に抑えることができているようです。

つまりバルクスは、山本義徳氏の起用によって、商品・コンテンツともに高いレベルのものをユーザーに届けることを可能にしたのです。バルクスは、プロのパーソナルトレーナからも熱狂的に支持されるようなサービスとなっています。

参考:運営会社 – VALX(バルクス)オンラインストア及び角間実『顧客をつかんで離さないD2Cの教科書』フォレスト出版、2021年

BASE  FOOD

ベースフード株式会社が運営するBASE FOOD(ベースフード)は、1食で1日に必要な栄養素の3分の1がすべて摂取できる完全栄養食を提供するブランドです。

具体的には、パン、パスタといった主食を提供しています(2021年9月現在)。

ベースフードが”主食”にこだわっているのは、「毎日食べる主食の栄養バランスがよければ、誰もが健康になれるのでないか」という創業者の橋本さんの想いがあるからです。

ベースフードが目指すのは、ベースフードが「世界のインフラ」となること。

つまりベースフードは、人生を楽しむための基盤(ベース)となる健康な身体を誰もがつくれるように尽力していきたいと考えているのです。

参考:BASE FOODの開発ストーリー

北の快適工房

株式会社北の達人コーポレーションが運営する北の快適工房は、ユーザーに「ご満足いただけること」を第一に掲げる健康食品・化粧品のブランドです。

「ユーザーに満足いただく」ために、具体的にはどのような取り組みをしているのでしょうか。

・複数回のモニター調査を実施し、その結果が「ビックリするほど良かった場合のみ」商品化
・新成分、流行している成分に安易に飛びつかず、ユーザーの満足度向上に寄与する成分のみを取り入れる(「流行商品」よりも「実用商品」)
・北海道産の素材を使用する頻度は高いが、商品の品質が第一なので場合によっては「北海道」以外からも素材を調達する

北の快適工房が商品開発の過程で「これはユーザーが満足するものだろうか?」と問い続けてきたことは、D2Cの好例であり、目指す姿とも言えます。

参考:オリジナルブランド「北の快適工房」

※食品D2Cについて詳しく知りたい方はこちら:人気食品D2Cブランド7選!食品D2C成功のポイントとは?
※サプリメントD2Cについて詳しく知りたい方はこちら:【成功事例】サプリメントD2Cで成功した注目ブランド7選!

その他の業界のD2C成功事例

嗜好品:DR. VAPE(ドクターベイプ)

株式会社ロックビルが運営するDR.VAPEは、タール・ニコチンが「ゼロ」で嫌な臭いも出ない電子タバコを提供しています。

本体は売り切りですが、フレーバーはサブスクリプションで手に入れることができます。

DR.VAPEは、タバコが持つネガティブなイメージを払拭するようなサービスです。というのもDR.VAPEは、従来のタバコとデザイン、臭いや成分、フレーバーが異なるからです。

プロダクトデザインは、レディー・ガガの衣装や「DIESEL」「UNIQLO」などのファッションディレクターを務め世界の第一線で活躍するニコラ・フォルミケッティが担当し、スタイリッシュなデザインとなっています。

紙タバコに含まれるニコチンやタールといった成分は、DR.VAPEには含まれていません。従来のタバコのようなフレーバーだけでなく、マスカットやベリーなどの果実のフレーバーもあります。

DR.VAPEは、ユーザーにタバコに関する新しい価値観を提案していると言えるでしょう。

参考:ドクターベイプについて

ドッグフード:PETOKOTO FOODS

株式会社PETOKOTO(ペトコト)が運営するPETOKOTO FOODS(ペトコトフーズ)は、D2Cのドックフードデリバリーサービスです。

顧客(飼い主)が回答したWeb診断をもとに、愛犬の健康を維持するために最適なカロリーとプランにカスタムしたフードを届けます。素材は国産の新鮮なお肉や野菜で、人間向けの食品と同じ基準で製造管理しています。

フードがなくなる頃に次のフードが届きます。そのため、再注文や重いフードを持ち運びする必要がありません。

ペトコトフーズを立ち上げたのは、代表の大久保さんにある疑問が浮かんだからでした。その疑問とは、「どうして同じようなメニューのペットフードを食べさせ続けなくてはならないのだろう?」というものです。

そのためペトコトには、「人間の食事と同じように安全で新鮮で美味しい、愛犬に合わせてカスタムした栄養バランスの良い食事を手軽に与えたい」という想いがあります。

サービス利用者の肯定的な口コミによって、新規契約者が増加し、リピート率も安定しています。今後も拡大が期待される、注目のサービスです。

参考:株式会社PETOKOTO(ペトコト)及び長橋賢吾『図解入門ビジネス 最新D2Cの基本と仕組みがよ~くわかる本』秀和システム、2021年

※ペットフードのD2Cについて詳しく知りたい方はこちら:ペットフードのD2C×サブスク事例を紹介!注目される背景とその課題とは?

D2C×サブスクの成功企業の共通点は?

それでは、D2C×サブスク事業で成功している企業に共通している特徴とは何なのでしょうか。

ここでは①サービスを通してユーザーに新しい価値観を提示すること、②サービスの質を上げるためにユーザーの声を聴く・知ること、③サービスに対するユーザーの強い共感が存在すること、という3つを挙げたいと思います。

D2C×サブスクの成功企業の共通点は?

①ユーザーに新しいライフスタイルや価値観を提案する

D2Cブランドを展開する上では、「自分たちのサービスがどのような価値観をユーザーに提案しているか」という観点が重要になってきます。

例えばDR. VAPEは、「香りを吸う、新しい習慣」というキャッチコピーを打ち出し、「タバコは臭くて不健康」という従来のタバコに対するイメージを変えようとしています。

D2C事業者は、自分たちが描く新しいライフスタイルや価値観に沿って、サイトデザインや同梱物を設定していくべきでしょう。ユーザーとのタッチポイント(接点)で、自分たちの価値観を伝えるためです。

価値観に強く共感したユーザーほど、そのサービスを長く利用し続けてくれるはずです。

②サービスの質を上げるためにユーザーの声を聴く・知る

D2C×サブスクの事業はユーザーにも事業者にも良い側面があります。なぜなら、事業者がユーザーの声を吸い上げ、サービスに反映させやすいからです。

ユーザーの目線

オーダーメイドのセルフカラー剤を提供するカラリス、愛犬に合わせたドッグフードを提供するペトコトフーズのように、パーソナライズされた商品を継続的に受け取れることは、ユーザーにとって満足度が高いでしょう。

また、ユーザーがマイアカウントから定期コースの注文内容を変更したり、お届け頻度を変更できると便利です。

事業者は、商品がユーザーの手元に届くまでの導線をきちんと設計する必要があります。

事業者の目線

D2Cとは、仲介業者なしに商品の製造から販売までを自社で行うというビジネスモデルでした。そのメリットの一つに、ユーザーの行動データを幅広く得ることができるということがあります。

例えば、どの広告媒体から自社のサイトにアクセスしたのかや、サブスクでの契約であれば平均してどれほどの期間継続して利用しているかなどがわかります。

またWebでのアンケートや、SNSで投稿されたサービスについての意見も参考になります。

ユーザーの声を聴き、考えを知ることで、新たなプロダクトの開発やサービスの展開に取り組むことができるでしょう。そのような取り組みが、ユーザーの満足度向上に寄与するはずです。

③ユーザーがサービスに共感し、自ら広めている

良質なサービスを提供していれば、サービスの利用者がリアル・ネットを問わず口コミを通して自発的にサービスを広めてくれます。

UGC(User Generated Contents)という用語があります。

UGCとは、企業ではなく一般のユーザーによって制作・生成されたコンテンツのことを指します。

具体的に言えば、ネットに投稿された写真や動画、SNSの投稿などのことです。

D2C事業の拡大は、このUGCの存在なしにはありえないでしょう。

というのも、UGUは会社に属さない人がサービスについて素直に評価するものなので、広告よりもユーザーから肯定的に捉えられやすいからです。またUGCが拡散されることで、サービスの認知が広がるかもしれません。

D2C×サブスクの事業者には、ユーザーを起点にしてサービスを作り上げていくという姿勢が求められているでしょう。

まとめ

本記事では、D2C×サブスクの事業で成功するためのポイントを見てきました。

D2C×サブスク事業のどれもが、インターネットやスマートフォンの普及、ネットショップ開設の簡易化、物流の発達といったテクノロジーの発展に支えられています。

テクノロジーの発達が、ユーザー満足度の高い商品・サービスの提供を促進させているのです。

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