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近年様々な分野で普及しているサブスクリプションサービス(サブスク)。美容分野においては化粧品やコスメが定期で届くというサブスクの他に、美容室やサロンに実際に訪れて利用するかたちのサブスクが広がってきています。
本記事では美容室やサロン、接骨院といった実店舗の美容系サブスクの特徴やサブスクサービスを取り入れるメリットやデメリット、及び有名サービスの事例などを紹介します。
美容室・サロンのサブスクサービスとは?
そもそもサブスクとは?
そもそもサブスクリプションとは、「定額の料金を支払うことで、毎月商品を手に入れたり、サービスを継続的に利用することができるビジネスモデル」のことです。
従来の一度の取引で終了する売り切り型の「フロービジネス」に対して、サブスクは毎月収益が積み上がっていく「ストックビジネス」に該当します。
事業者は安定的な収益が見込め、かつ将来の収益予測も立てやすいといったメリットがあります。消費者からすると、比較的安価にサービスを利用できるという理由で気軽に始めやすいことがメリットです。
※サブスクのビジネスモデルや特徴についてさらに詳しく知りたい方はこちら:サブスクとは?メリットやデメリット、人気サブスクリプションサービスもご紹介
※ストックビジネスやフロービジネスについてさらに詳しく知りたい方はこちら:ストックビジネスとは?メリットやデメリット、フロービジネスとの違いを解説!
美容系のサブスクにはどのようなサービスがあるのか?
美容分野の店舗型・役務のサブスクとしては
・美容院のサブスク
・エステのサブスク
・接骨院のサブスク
などがあります。
どれも継続的に通うことでより高い効果が得られる美容・ヘルスケアに関するサービスです。
このような店舗型・役務のサブスクサービスの場合、通常価格よりもお得な料金になるように設定にしたり、気軽に来店してもらえるようなサービス内容に設計したりすることで、今まで利用していなかった新規顧客の集客やリピート率の向上が期待できます。
美容室・サロンがサブスクコースを導入するメリットは?
ここでは美容室やサロンがサブスクを提供するメリットについて具体的に見ていきましょう。
リピート率を高められる
サブスクに契約してもらうことで、継続して店舗を利用してもらえることが期待されます。
顧客にとって、通常価格よりも安く施術を受けられる、担当者に施術の希望を伝える手間や新しいお店を探す手間をなくすことができるというメリットがあるからです。
回転率を高められる
平日の日中など、通常時間が空きやすい時間帯でもサブスク利用者に来店してもらえれば回転率が高まり時間を有効活用できます。サブスク利用者には「サブスクだし空いている時間で利用しよう」という来店への動機があります。事業者としては平日限定でサブスクコースを提供するといったサービス内容にするといったこともできるでしょう。
定型的な作業に関しては、空いているスタッフやアシスタントなどが対応することで業務効率の向上や施術の技術向上にも繋がります。
顧客から継続的にフィードバックをもらいサービス改善ができる
・定期的にトリートメントやカットのヘアメンテナンスをしたい
・シャンプーやヘッドスパなどでリラックスしたい
・人と会う前にブローでヘアスタイルを整えたり、セットしてもらいたい
・カラーのリタッチをお得に行いたい
など、顧客の要望に応えるようなサービスを提供することで、顧客満足度が向上しサービスをより長く利用いただけるようになるでしょう。また継続的に利用いただくことで顧客とコミュニケーションも取りやすくなり、直接フィードバックをもらいやすくなります。
提携店の中から利用したい店舗を選べるようにしたり、短時間でも気軽に利用しやすいメニューを選択の対象にしたりすることで、これまで来店したことのなかった新規顧客を獲得できる可能性があります。
またサブスクを利用する顧客はヘアケアやヘアスタイルなどの美容業界の動向に関心を持っている方や、自身の身体をケアする習慣を持っている可能性が高いです。
サブスクコースを用意することで美容や健康に関心のある顧客にアプローチすることで、単価の高い他のメニューにも興味を持ってもらいやすくなるでしょう。
サブスク導入によって顧客の利用頻度が高くなれば、より短い期間で利用者のデータが集まりやすくなります。サブスクを利用するユーザーのニーズをもとに、集客や魅力的なサービス及び店舗づくりに活かすことができるでしょう。
美容室のサブスク事例
美容室のサブスクでは、どのようなサービスが提供されているのでしょうか。
以下では具体的な事例を紹介します。
MEZON(メゾン)
MEZONは「1,000以上の美容室にどこでも通える美容室定額(サブスク)サービス」として、多数の美容室をサブスクで利用できます。
トップページを開くと表示されるマップ上には多くの提携美容室が並んでおり、希望エリアの美容室を比較検討することが容易です。シャンプー・ブローやトリートメント・ヘッドスパなど「メニューから探す」ことも簡単にできるので、効率よくお店を選んで利用することができます。
MEZONから予約することで通常価格より20%以上お得になったり、短時間のヘアケアだけのメニューでも気軽に美容室に寄ることができるのがメリットです。
※参考:美容室の定額(サブスク)サービス MEZON メゾン
Attina(アティーナ)
Attinaは、東京と神奈川に展開する会員制美容室です。定額制のプランは5種類で、プレミアムプランでは全メニューを何回でも利用できます。
はじめて利用する方は、初回のサブスク利用時お試し価格として20%OFFが適用され、通常よりさらにお得に利用できます。
Gentroom(ジェントルーム)
Gentroomは、メンズのための月額会員制美容室です。原宿に本店があり、いつでも身だしなみを整えることができるというのが特徴です。
サブスクのコースごとにサービス内容は異なりますが、カット・シェービング・フェイシャルケアなどのメニューを通い放題で利用できます。
理美容業界初の月額定額制サービスとして経営者・アスリート・コンサルタントなど、清潔感や好印象を求められる業種の男性から多く支持されています。
※参考:Gentroom/メンズのための月額会員制美容室/通い放題サービス/原宿本店
JETSET(ジェットセット)
JETSETは、シャンプー・ブロー専門のサブスクサービスを提供しています。
プロに任せるハイクオリティなシャンプー・ブローなどを習慣的に利用できる点が魅力です。マッサージによるリラックス効果や、翌日になっても頭皮がべたつきにくいという点で訴求しています。
ヘッドスパや前髪カット、ヘアアレンジ等のオプションメニューも用意しており、最短30分のサービスにもドリンクのサービスが付いています。
※参考:JETSET | Your shampoo &blow specialist
エステのサブスク事例
次にエステの分野ではどのようなサブスクが提供されているのかを見ていきましょう。
VIday(ビデイ)
VIdayは、日本初の定額制美容サロンサービスです。
エステに加え美容室・ネイル・リラクゼーション・パーソナルジムの5つのジャンルの店舗に通うことが可能です。
「美容をもっと身近に。」というコンセプトのもと、3ジャンル通い放題で月額19,800円(税抜)のコースから用意されており、通い放題のメニューは15分から30分の特別メニューで提供されます。短時間であっても各店舗の雰囲気や良さを感じてもらえるような工夫がなされています。
※参考:美容サロン月額通い放題サービス | 美容サロン通い放題サービスViday(ビデイ)
じぶんdeエステ
じぶんdeエステは、大手エステサロンで採用されている高性能の業務用エステマシンを月額7,980円(税抜き)から使えるサブスクサービスです。
業界初の定額制セルフエステは、完全個室でプライバシーも万全であり、備え付けのipadで使い方動画を見ながら初めてでも安心して利用することができます。
駅直結の店舗に予約なしで毎日通え、マシン全機種が使い放題という継続しやすい条件が整っているサブスクです。
エスプラ
エスプラも予約不要で一流サロンの高級マシンをいつでも使えるセルフエステのサブスクです。
料金プランは月額8,800円(税抜き)からで、平日日中の割引や学生の割引なども行っています。
セルフエステは通常のエステよりも低価格ではありますが、高額なプロのエステマシンを利用することで高い効果を得ることを目指しています。
美容系サブスクサービスを成功させるうえでの留意点
一注文あたりの利益が小さくなる
通常よりもお得に利用者に感じてもらえるよう安価にサービスを提供すると、施術一回当たりの利益が小さくなってしまいます。そのためサブスクのメニューは施術時間を短くしたり、提供するメニューの種類を絞ることが有効です。
新規のお客様が多い店舗だとサブスクコースの利用が進みにくい傾向にある
新規顧客の割合が多い店舗の場合、継続して利用してもらうことが前提のサブスクを契約してもらえる割合も低くなるでしょう。
サブスクに契約してもらうことでリピート率向上に繋がるので、「通常のコース以外に、お得なサブスクコースもあること」を予約サイトや口頭でお伝えしサービスを知ってもらい初回からサブスクコースにしてもらうなど、継続率を上げるための取り組みが必要になってきます。
まとめ
本記事では、美容室・サロンがサブスクコースを導入することのメリットや人気美容サロンの事例を紹介しました。ぜひ通常メニューに加えてサブスクコースを取り入れてみるのはいかがでしょうか。
※美容院のサブスクサービス導入の事例についてはこちら:導入1年で売上の10%以上をサブスク化することに成功:イーマインターナショナル株式会社
※サブスクの事例についてさらに詳しく知りたい方はこちら:国内外のサブスクリプション事例を紹介!日本のサブスクの動向は?