サブスクビジネスの利益構造とは?主要な経営指標についても解説

サブスクビジネスの利益構造とは?主要な経営指標についても解説

サブスクリプションビジネス(以下、サブスクビジネス)は、商品・サービスの購入で取引が終了してしまう従来の買い切り型のビジネスとは異なり、顧客と中長期的に取引を行うことで利益を上げていくビジネスです。

サブスクビジネスの収益の安定性が評価され、近年では様々な企業・業種が参入してきています。

その一方で、利用者数が伸びなかった、既存事業とのシナジーが生み出せなかったなどの理由で事業撤退を余儀なくされる企業の数も決して少なくありません。

本記事では、そんなサブスクビジネス特有の利益構造と、サブスク事業成功のために意識しておきたい各指標について解説していきます。

サブスクリプションとは?

まずは簡単に「サブスクリプション」という用語についておさらいしておきましょう。

「サブスクリプション(subscripition)」とは、端的に言えば「定期購入」「定額制」「会費制」「ストックビジネス」のことです。

引用:佐川隼人『サブスクリプション実践ガイド』英治出版、2019年

例えばNetflixやAmazon Prime、Apple MusicやSpotifyといったデジタルコンテンツのサブスクサービスは、皆さんも利用されているのではないでしょうか。

サブスクサービスは、自分が視聴したいコンテンツを視聴したい時に視聴したい分だけアクセスできるため、ユーザーにとっては手軽にサービスを利用できるというメリットがあります。また物理的なモノを所有する必要がないため、その分の管理やモノを置くスペース等を確保しなくてもよいというメリットもあります。

世界基準で見ると2013年頃から徐々にサブスクというワードが流行り始めると同時に注目を集め、日本でも2014年頃から徐々に浸透し始めました。現在では国内外を問わず、様々な業界でサブスクサービスが提供されています。

サブスクの概要について知りたい方はこちら:サブスクリプションとは?事業者のメリットと成功のコンテンツを紹介

従来のビジネスモデルとの違い

従来の売り切り型のビジネスモデルとサブスクビジネスの違いとは

上述の通り、近年大きな盛り上がりを見せているサブスクビジネスですが、そもそも従来のビジネスモデルとはどのような点が異なるのでしょうか。

従来の1回買い切り型のビジネスモデルは一般に「フロー型のビジネス(フロービジネス)」と呼ばれ、サブスクリプション型のビジネスモデルは「ストック型のビジネスモデル(ストックビジネス)」と呼ばれます。

フロー型のビジネスは基本的には1回の取引でコストを全て回収するようなビジネスモデルなのに対し、ストック型のビジネスでは基本的には一度の取引では投資した金額全てを回収しないという特徴が挙げられます。例えば、新規顧客獲得のための広告費用の回収は、ストック型のビジネスでは中長期的に行っていくのが一般的です。

サブスクリプションを導入する企業が増えている理由

投下した費用をすぐに回収しない(できない)のにもかかわらず、なぜ多くの企業がサブスクリプションビジネスに参入しているのでしょうか。

それは中長期的な視点で事業全体を見ると、サブスクリプションビジネスが安定的に利益を積み上げてくれるような収益構造になっているためです。中長期に利益が上がるという前提があるからこそ、新規顧客獲得のための費用の上限を上げることができるのです。

サブスクビジネスの利益構造における指標

サブスクビジネスの利益の公式とは?

サブスク事業における利益は、以下のような要素で構成されています。

利益 = 顧客数×①顧客一人あたりの利益-事業運営にあたって発生したコスト

したがって、利益を上げるためには顧客数を増やす、もしくは顧客あたりの利益を向上させる施策が必要と理解できます。

サブスクビジネスの利益を構成する指標

さらにここからは、サブスク事業における利益を構成する各指標を見ていきましょう。ここで紹介する指標は、主に通信業界でよく使われていた指標ですが、近年ではデジタルコンテンツを配信する事業やSaaSビジネスにおいても使用されるようになりました。

①顧客一人あたりの利益(ユニットエコノミクス)

顧客一人あたりの経済性や利益面における採算性を表す指標です。

ユニットエコノミクス=②LTV(1顧客がもたらす価値)÷③CAC(1顧客獲得に発生したコスト)

②LTV(Life Time Value)

一人の顧客がサービスを契約してから解約するまでの期間に自社にもたらした利益を算出した値です。

LTV = ④ARPU(平均顧客単価)×粗利率÷チャーンレート(解約率)

他にも、「LTV=平均購入単価×購入頻度×継続期間」と算出されることもあります。

サブスクリプションビジネスにおいては新規顧客獲得のための費用(CAC)を高く設定している事業者が多いため、ユニットエコノミクスを高めるには、このLTVをいかに向上させるかがポイントとなります。

③CAC(Customer Acquisition Cost)

CACは、新規顧客を一人獲得するのにかかるコストです。CACには直接的な広告費だけでなく、セールスで発生したコストや商品開発等に発生したコスト全てが含まれます。

CAC=(顧客獲得にかかる費用の合計)÷獲得した顧客数

CACはコストを表す指標なので、数値が少なければ少ないほど利益率が高いことを意味します。

一般的にはCACがLTVの1/3以下であることが健全な事業運営の目安と言われています。広告予算を組む際には、企業が新規顧客獲得にコストをいくらまでかけられるのか(許容CAC)を算出しておきましょう。

④ARPU(Average Revenue Per User)

一人の顧客が月ごとにもたらす平均の収益になります。

ARPU=月の収益÷その月に取引が発生した顧客(新規、既存含め)

LTVが顧客が全契約期間で企業にもたらす収益であるのに対して、ARPUは月ごとの収益をみる指標となります。

⑤CCR(Customer Churn Rate)

解約率(チャーンレート)とも言われている指標です。サービス・商品を解約したり、または無料会員へのダウングレードにより自社への収益が0になった顧客の割合を表します。

CCR=一定期間の合計解約数÷ある時点における顧客数

このCCRが高ければ顧客にとって魅力的なサービスが提供できていないということになり、反面割合が低ければ顧客にとって魅力的なサービス提供が出来ていると言えるでしょう。そのため、事業者はCCRを低下させる施策を打つ必要があります。

CCRを低下させるためには、まず解約の原因を探ることから始めるのがおすすめです。解約の原因は複数あるはずですが、自社で改善できる原因であれば積極的に改善していきましょう。

サブスクビジネスの類型

提供するサービスの内容によってサブスク事業者が注目すべき指標やかかるコストは異なってきます。そのため、サブスクサービスにも複数の種類があることを理解しておきましょう。ここでは3種類のサブスクサービスとそれぞれにおける特に注目したい指標やコストについて紹介します。

会員制のサブスク

会員制モデルのサブスクには、音楽や動画などのデジタルコンテンツ、SaaS、ジムやエステサロンのサブスクサービスが該当します。

多くのサービスで複数の契約プランが用意されています。上位プランになればなるほど利用できるコンテンツが増えたり、良いサービスを利用できるなどの特徴があります。

会員制モデルのサブスクサービスの場合、いかに解約数を減らせるかがポイントとなります。そのため、CCRを低下させないよう、ユーザーにとって魅力的なサービスを提供しつづける必要があります。

レンタルのサブスク

レンタルのサブスクサービスは、高価な商品を毎月一定額の金額でレンタル・利用できるようなサービスです。

ブランドの高級バッグを提供しているLaxusやトヨタが提供しているKinto等が有名なサブスクとして挙げられます。

デジタルコンテンツの提供と異なり物理的なモノを提供するサービスとなるため、配送コストやレンタルが終了した際の返送コストがかかります。加えて商品をメンテナンスする費用も発生します。

ユーザーにレンタルされてからすぐに返送されてしまうと配送・返送コストが利益を圧迫してしまうため、サービスが成り立つためにどのくらの期間利用してもらえばコストが回収できるのかを見積もっておく必要があります。

物販系のサブスク(定期通販、リピート通販)

主に基礎化粧品や健康食品などの消費財を、一定の頻度でお届けするようなサービスです。

上述したレンタルのサブスクサービスと同様に送料や在庫の保管のコスト、商品の包装、顧客対応のための人件費等のコストも発生します。

物販系のサブスクにおいては自社のネットショップ(ECサイト)を開設して商品を販売する事業者が多いのですが、その場合特にリピート顧客のいない立ち上げ初期においてどのように見込み顧客を集客するのかが課題となります。

Web広告を出稿して集客する場合は、自社の許容CPAを必ず把握しておきましょう。

ネットショップにおける新規顧客獲得のポイントについては下記記事で紹介しているので、参考にしてみてください。

参考:ネットショップの新規顧客獲得でECの売上アップ!施策のポイントを紹介

まとめ

サブスクリプションビジネス(サブスクビジネス)は、短期的に利益を上げられるようなビジネスではありませんが、中長期的に見るとフロー型のビジネスモデルよりも安定的に収益を上げることが可能なビジネスです。

フロー型のビジネスとは利益構造が異なるため、サブスクビジネスの運営においてはサブスクビジネス固有の指標を理解しておきましょう。

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